傾山(読み)カタムキヤマ

デジタル大辞泉 「傾山」の意味・読み・例文・類語

かたむき‐やま【傾山】

大分・宮崎両県境の山。標高1605メートル。山頂は三つの峰からなり、西が切り立ち傾いているように見える。祖母傾そぼかたむき国定公園の主要地の一。

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精選版 日本国語大辞典 「傾山」の意味・読み・例文・類語

かたむき‐やま【傾山】

  1. 大分・宮崎県境、九州山地の北部にある山。西方祖母山に連なる。祖母傾国定公園の一部。標高一六〇二メートル。

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日本歴史地名大系 「傾山」の解説

傾山
かたむきさん

大野郡南東端にあり、同郡三重みえ町・緒方おがた町、南海部郡宇目うめ町、宮崎県西臼杵にしうすき日之影ひのかげ町との境をなす。標高一六〇二・二メートル。祖母そぼ山とともに険峻な山岳地帯祖母傾山地の中心を占め、一帯は祖母傾国定公園、祖母傾県立自然公園に含まれる。「豊後国志」では緒方郷から山頂まで四里、周囲は七里余とする。同書によれば登山経路はまず前方しろ山の腰をめぐり、一つの山頂を越え、山神堂前を過ぎていくと梅木うめのきという渓がある。


傾山
かたむきやま

日之影町北部と大分県南海部みなみあまべ宇目うめ町と大野おおの緒方おがた町の境に位置する山。標高一六〇二・二メートル。山頂は大分県に属するが、その南西部斜面は宮崎県である。西の祖母そぼ(一七五六・四メートル)から傾山までほぼ東西に稜線が連なり、祖母傾山系を形成し、祖母傾国定公園に含まれる。第三紀中新世に活動した火山名残で、山頂から中腹にかけては安山岩質の溶岩と火砕岩からなっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「傾山」の意味・わかりやすい解説

傾山 (かたむきやま)

大分・宮崎両県の境,九州山地の北部に位置し,祖母傾(そぼかたむき)国定公園に含まれる。標高1605m。地質は古生層と古第三紀の見立レキ岩層を基盤とする中新世に噴出した祖母山火山岩である。地形は西方の祖母山とともに北斜面に急傾斜面をもつ傾動地塊状の形態となっている。山頂は本傾,後傾,前傾の3岩峰に分かれており,山頂からの展望は雄大である。標高1100~1200mを境に上部はブナ林下部ツガ林となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「傾山」の意味・わかりやすい解説

傾山
かたむきやま

大分・宮崎県境にある九州山地の主峰の一つ。標高1605メートル。基盤は古生層、中生層、その上に見立礫岩(みたてれきがん)層があり、さらにその上に祖母山(そぼさん)流紋岩をのせている。600メートル以下は常緑広葉樹林で、1100~1200メートルを境に下部はツガ林、上部はブナ林となっている。山頂は本(ほん)傾、後(うしろ)傾、前(まえ)傾の3岩峰に分かれ、西面に岩が切り立っているため、山そのものが傾いているようにみえ、傾山の名はそれに由来する。山頂から祖母、九重(くじゅう)、由布(ゆふ)、大崩(おおくえ)などの山々を望む展望は雄大である。祖母傾国定公園の一部。登山口はJR豊肥(ほうひ)本線緒方(おがた)、三重町(みえまち)駅で、山麓(さんろく)までバスがある。

[兼子俊一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「傾山」の意味・わかりやすい解説

傾山
かたむきやま

大分,宮崎の県境,九州山地の北部にある山。標高 1602m。西方の祖母山と同じく流紋岩,石英安山岩から成り,ピラミッド型の山容で男性的な山岳美を誇る。ツガ,ブナの林におおわれ,祖母傾国定公園に属する。

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