元結(もとゆい)(読み)もとゆい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「元結(もとゆい)」の意味・わかりやすい解説

元結(もとゆい)
もとゆい

髪の根を結い束ねるのに用いる紐(ひも)のこと。「もっとい」ともいう。平安時代垂髪に用いたことが絵巻物でみられるが、身分の低い者は、髪の乱れを防ぐ意味から用いていた。古くは糸やこよりを用いた。垂髪が髷(まげ)をつくる髪形に転じてから、こよりにさまざまの変化を生じ、幅の広い平(ひら)元結は髪飾りとして用いられた。江戸中期に入ると、70センチメートルくらいにこよりを引き伸ばして、粘りとつやを出した文七元結(ぶんしちもっとい)が考案された。

[遠藤 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android