兄貴(読み)アニキ

デジタル大辞泉 「兄貴」の意味・読み・例文・類語

あに‐き【兄貴】

兄を敬って、または、親しんでいう語。
若者職人やくざなどの間で、勢力があり、頭株かしらかぶに推される者。「兄貴分」
年上の男。
「君は僕より―だし、経験にも富んどるし」〈紅葉多情多恨
[補説]「あにぎみ」の音変化か。「貴」は当て字。書名別項。→兄貴
[類語]兄さんにいちゃんあんちゃんお兄さん兄い兄上実兄義兄姉婿長兄次兄亡兄愚兄家兄舎兄令兄賢兄お兄ちゃん

あにき【兄貴】[書名]

今江祥智の自伝的長編小説。昭和51年(1976)刊。昭和48年(1973)刊行の「ぼんぼん」の続編

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精選版 日本国語大辞典 「兄貴」の意味・読み・例文・類語

あに‐き【兄貴】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あにぎみ(兄君)」の変化した語か。「貴」は当て字 )
  2. 兄を敬って、また、親しんでいう語。にいさん。
    1. [初出の実例]「野と山の花のあにきや腹がはり〈知円〉」(出典:俳諧・玉海集(1656)一)
    2. 「お袋は早く兄きが内へ帰られるやうにといふので」(出典:里芋の芽と不動の目(1910)〈森鴎外〉)
  3. 若者またはやくざ仲間などで年長の者、勢力のある者を呼ぶ語。
    1. [初出の実例]「なんと兄貴(アニキ)、あの卯月といふのが先か、彌生といふがさきでござるか」(出典咄本・聞上手三篇(1773)兄貴)
  4. 男が他の者より年長であること。
    1. [初出の実例]「君は僕より年長(アニキ)だし、経験にも富むどるし」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)

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デジタル大辞泉プラス 「兄貴」の解説

兄貴

今江祥智による児童文学作品。戦中戦後の混乱期を生きる兄弟の姿を描く。1977年刊行。同年、野間児童文芸賞受賞。

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