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児童文化 じどうぶんか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

児童文化
じどうぶんか

一般的には,児童のための文化創造,文化財,文化施設ならびに児童自身の文化的創造活動をいう。広義には,児童生活に及ぼす文化的影響の総和をさし,家庭,学校,社会における日常生活から,教育や文化における人間形成の諸過程,社会的な児童保護までを意味する。 1930年代にできた新造語。また,児童文化を概念的に3つに分け,(1) 児童にもたせたいと願う情操の内容を精神的文化とし,(2) それを児童に与えるための技術を行動的文化とし,(3) 玩具,図書,絵本などを物質的文化とするものもある。これらの児童文化は,常に創造されるとともに,伝承されていくと説いている。

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デジタル大辞泉の解説

じどう‐ぶんか〔‐ブンクワ〕【児童文化】

児童の健全な育成のために計画・構成された文化。文化財として、玩具・図書・音楽・映画など、施設として児童館児童図書館遊園地などがあるほか、児童自身による文化的活動もいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

じどうぶんか【児童文化】

児童を対象に,その心身の発達に資するように意識的に計画され構成された文化,および児童自身による文化活動の総称。古くは15世紀の室町時代から江戸時代初期にかけての御伽草子や,江戸時代の赤本などの草双紙やおもちゃ絵など,子どもにも愛された文化があり,いろはかるたすごろくなど,明らかに児童文化とみなされる遊びの世界も,豊かに存在していた。しかし,日本において,文学,音楽,美術,演劇,遊びなどの各分野で,意識的に児童を対象とする仕事が始められるのは18世紀末から19世紀の初頭以後である。

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大辞林 第三版の解説

じどうぶんか【児童文化】

子供のために作り出される文化の総称。児童文学・児童劇など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

児童文化
じどうぶんか

児童文化とは日本独特の用語で、通常、児童の健全な成長を目的として、大人が児童に与える文化財という意味で用いられる。
 用語自体は1930年(昭和5)ごろから使われ始めているが、児童文化がどういう原理によって体系化されているのか、まだ統一された定義としては定まっていないのが現状である。児童文化は、これまで児童文学者・研究者の菅忠道(かんただみち)、滑川(なめかわ)道夫、中山茂らをはじめとする何人かの手によって、広狭さまざまであるが定義されてきた。
 まず、一般的な定義として滑川道夫は、「(1)児童がみずから創造した文化、たとえば、児童詩、綴(つづ)り方・作文、児童画、各種の造型、遊び、演劇活動など、児童自身の創造的所産とみなされる性格をもつもの。(2)おとなが児童のために与える文化――テレビ、ラジオの児童番組、児童映画、児童劇、紙芝居、スライド、オモチャ、児童音楽、児童文学など、ひろい意味で児童の成長・発達のため与えるものをさす」という(『児童文化論』1970)。
 これに批判的なのが児童文学者の古田足日(たるひ)で、子供はさまざまの経験を通して文化を身につけていくものであり、この滑川規定は、その経験のうち一般文化にかかわるものや、子供の具体的な生活を切り落としたところに成立している、と考えるのである。実際に、子供は、一般文化から非常に大きな影響を受けて育つ。そこで、古田は、「子どもの生活とかかわりあって、その成長に重要な役割をはたすもの」として、(1)学校教育、(2)児童文化財、(3)「家庭の教育を含む社会全体のふんい気やあり方」の三つをあげている。このなかで、とくに(3)の「家庭の教育を含む社会全体のふんい気やあり方」は、古田独自の考えである。
 なお教育社会学者である片岡徳雄などが主張する「子ども文化」という考えもある。それについて簡単にいえば、子供の生活様式であり、その中心は子供の遊びである。また、教育社会学者の藤本浩之輔は、児童文化(論)が独自の研究領域と方法論を確立していくためには、あくまでも児童文化財を核にしながら、パーソナリティー形成論はもちろん、子供たちが置かれている状況に関する社会学的理論、コミュニケーション論、意味論、文化論などの研究方法や知見が採用されなければならない、としている。[西根和雄]
『滑川道夫著『児童文化論』(1970・東京堂出版) ▽本田和子著『児童文化』(1977・光生館) ▽片岡徳雄編『学校子ども文化の創造』(1979・金子書房) ▽日本教育社会学会編『新教育社会学辞典』(1986・東洋館出版社) ▽古田足日著『児童文化とは何か』(1996・久山社)』

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世界大百科事典内の児童文化の言及

【赤い鳥】より

…また,同誌は作家に子どものための作品を書く場を提供したばかりでなく,子どもにも自由な表現を促す場を提供した。そして,子どもの応募作品に対して,毎号,三重吉が綴方を,北原白秋が児童自由詩を,山本鼎(かなえ)が自由画を選び,批評し,指導することにより児童文化の領域を広めるとともに全国の子どもの表現に影響を与えた。身のまわりの現実の生活をリアルに描き出す子どもの作品に目を開かされた三重吉は,綴方をたんなる文章表現の練習としてでなく,〈人そのものを作りとゝのへる,`人間教育’の一分課〉ととらえた。…

※「児童文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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