八十島祭(読み)やそしままつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

八十島祭
やそしままつり

八十島神祭ともいう。古代,天皇が即位し,大嘗祭 (だいじょうさい) の翌年,吉日を選び,使いを摂津国難波津につかわし,生島神足島神を主とし,スミノエノカミ,オオヨサミノカミ,海神,タルミノカミ,スムジノカミなどを祀り,御代の安泰と国土の生成発展とを祈った祭り。大仁王会とともに一代一度の臨時の大儀。鎌倉時代に廃絶した。

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世界大百科事典 第2版の解説

やそしままつり【八十島祭】

9~13世紀に施行された天皇1代1度の宮廷儀式。即位礼および大嘗祭(だいじようさい)の翌年,摂津国難波津に勅使を派遣し行われる。海辺の祭場に生島(いくしま)・足島(たるしま)の神と住吉の神をまつって,天皇の乳母の典侍(ないしのすけ)が天皇の御衣を収めた箱をゆり動かし,生島の巫(かんなぎ)が祝詞をとなえた。当時難波津には大小さまざまの島が散在しており,八十島祭の名もそれにもとづく。おそらく祭りは島々を天皇の版図としての大八島(おおやしま)に見立て,その霊を御衣に付着させて天皇の身体を活性化し,同時に国土の生成を願ったものであろう。

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大辞林 第三版の解説

やそしままつり【八十島祭】

中古、大嘗祭だいじようさいの翌年、勅使を難波津に遣わして住吉神・大依羅神おおよさみのかみ・海神・垂水神たるみのかみ・住道神すむじのかみをまつり、国の発展と安泰を祈った儀式。多く、乳母めのとである典侍ないしのすけを勅使にあてた。八十島神祭。

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世界大百科事典内の八十島祭の言及

【神功皇后】より

…かかる初代王の誕生に神功皇后は欠かせない存在であった。
[儀礼的背景,巫女像の投影]
 新羅出兵の物語は,どの程度にせよ大嘗祭の一環である八十島祭(やそしままつり)の投射をうけており,このことが神功皇后の造型と関係する。八十島祭とは,新天皇即位の翌年,難波津の浜で女官らが天皇の御魂代(みたましろ)なる衣服に,統治すべき島々の霊を付着させて健やかな成長を願う哺育の儀礼であり,祭神には住吉大神も含まれていた。…

※「八十島祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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