幕末から明治の歌人。薩摩(さつま)藩士。通称は喜左衛門、号は桃岡(とうこう)。上京して香川景樹(かげき)(桂園(けいえん))に和歌を学び、桂園派歌人としては、大先輩の熊谷直好(くまがいなおよし)との、景樹の『古今和歌集正義』序の解釈をめぐる論争で注目を浴びた。明治維新後は宮内省に歌道御用掛(ごようがかり)として出仕した。薩摩藩出身であることと、門下に同藩の高崎正風(まさかぜ)、黒田清綱、税所敦子(さいしょあつこ)を擁したこともあって、宮中御歌所(おうたどころ)に桂園派の歌風を築いた。景樹の「調(しらべ)の説」を受けた歌論書に『千代の古道』『調の直路(ただじ)』などがあり、家集に『しのぶ草』『都島(みやこじま)集』などがある。桂門十哲の1人に数えられている。明治6年9月2日没、75歳。
[兼清正徳]
大比叡(おおひえ)の峰に夕ゐる白雲のさびしき秋になりにけるかな
『福島タマ著『八田知紀』(『近代文学研究叢書1』所収・1956・光葉会)』
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(久保田啓一)
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