内懐(読み)ウチブトコロ

デジタル大辞泉 「内懐」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぶところ【内懐】


和服の襟を合わせて着たとき、肌に近い内側の懐中。⇔外懐そとぶところ
洋服で、内ポケット
他人には知られたくない心の中のようす。内情内幕。「内懐を見透かされる」
相撲で、構えたときの胸の辺り。「内懐に頭をつける」
[類語]内実内情内幕実際内容内内うちうち内内ないない遠慮内部内密こっそり内輪内裏うちうら内緒内証内分内聞ひそか忍びやかそっと秘密楽屋裏裏面

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「内懐」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぶところ【内懐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 膚に近いふところ。和服のえりを合わせたとき、下前と膚との間につける袋。また、洋服では上着の内ポケットをいう。⇔外懐
    1. [初出の実例]「内懐(ウチブトコロ)より手を入」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)六)
    2. 「釦(ぼたん)を一つ外(はづ)して、内懐(ウチブトコロ)へ手を入れた」(出典:三四郎(1908)〈夏目漱石〉一〇)
  3. 相撲の立ち合いで、かまえたときの胸部のあたり。「内ぶところに飛び込む」
  4. 物などに囲まれて奥深くなったところ。
    1. [初出の実例]「彼等の姿が〈略〉湖水の内ぶところへ隠れてゆくのを見送った」(出典:白樺になる男(1925)〈十一谷義三郎〉三)
  5. 心のうち。内部の事情。内幕。

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