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凍り豆腐 こおりどうふ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

凍り豆腐
こおりどうふ

高野山の宿坊でつくったので高野豆腐,あるいは信州では凍 (し) みるの意味からしみ豆腐ともいう。豆腐を凍結させ海綿状の組織をつくり,乾燥させたもの。伝統的保存食品であるが,蛋白質 (50%) ,脂肪 (28%) ,カルシウムに富み,消化はよい。以前は農家の副業として厳寒期につくられたが,現在は大工場で生産されるため蛋白質の重量あたりの値段では最も安い食品の一つである。

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デジタル大辞泉の解説

こおり‐どうふ〔こほり‐〕【凍り豆腐/氷豆腐】

豆腐を凍らせてから乾燥させた食品。本来は冬の寒気を利用して作るが、今では冷凍機・乾燥機を利用して作るものも多い。高野豆腐。こごり豆腐。しみ豆腐。 冬》

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栄養・生化学辞典の解説

凍り豆腐

 凍み(しみ)豆腐ともいう.工業製品はダイズを原料とし硬めの豆腐を作り,氷室で凍結させさらに氷点付近で1カ月ほど保存しタンパク質変性させ,解凍,脱水,乾燥させて製品としたもの.自家用としても,冬期に豆腐を戸外におき,タンパク質を変性させて食用にする.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

凍り豆腐
こおりどうふ

豆腐の加工品。固めにつくった豆腐を小形に切って凍らせ、脱水乾燥したもので、高野(こうや)豆腐、凝(こごり)豆腐、凍(しみ)豆腐ともいう。紀州(和歌山県)の高野山の僧が創始したといわれ、これが高野豆腐の名の由来となっている。また、武田信玄(しんげん)あるいは真田幸村(さなだゆきむら)が兵の携行食糧として考案したとの説、幸村が高野山に隠れていたとき発明したという説もある。[河野友美・山口米子]

製法

寒中に屋外で凍らせる天然冷凍と機械冷凍とがある。豆腐を凍結後、氷の溶けない温度の冷凍室に2~3週間貯蔵する。この間に組織中の氷の結晶を成長させる。これによって、スポンジ状態がうまく形成され大豆タンパク質を変性させる。解凍は温水中で行い、これを圧搾脱水、乾燥によって、特有の風味と肉質の製品が得られる。なお、調理の際のもどりをよくする目的で、乾燥後、減圧下でアンモニアガス中に一定時間放置して、アンモニアガスを吸収させる方法が行われてきたが、近年は、重曹(炭酸水素ナトリウム)を加えて膨軟加工し、湯でもどす操作の不要のものが多くなっている。したがって使用時にはその製品についての使用法に従うことがたいせつである。長野や東北地方でつくられる伝統的凍豆腐は、自然に凍らせた豆腐をそのまま自然乾燥して仕上げたもので、固い口あたりである。
 凍り豆腐はタンパク質を49%も含み、また脂肪も33%含む栄養価の高い食品で消化もよい。保存食品であるが日数がたつと風味が低下する。一般に新しいものほど味がよい。[河野友美・山口米子]

料理

関西地方で精進料理によく用いられるが、アンモニア加工のものでは、使用する際に湯でもどし、白い汁の出なくなるまで洗って復原させる。もどし不要のものは、熱湯に浸すと崩れることがある。料理は含め煮にされることが多い。薄味で、よいだしを使うことが味よく仕上げるこつである。関西では、味つけして煮た凍り豆腐を巻きずしの芯(しん)に使う。卵とじや炒(いた)め物、揚げ物にも使用できる。[河野友美・山口米子]
『宮下章著『凍豆腐の歴史』(1962・全国凍豆腐工業協同組合連合会) ▽渡辺篤二・斎尾恭子・橋詰和宗著『大豆とその加工 1』(1987・建帛社)』

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