出入国管理および難民認定法(読み)しゅつにゅうこくかんりおよびなんみんにんていほう

百科事典マイペディア の解説

出入国管理および難民認定法【しゅつにゅうこくかんりおよびなんみんにんていほう】

入国者の公正な管理と難民認定手続を整備するための法律(1951年)。かつては出入国管理令と称した。外国人の入国・上陸在留出国退去強制,日本人の出国・帰国などに関して規定。初めはポツダム緊急勅令に基づく政令だったが,1952年対日平和条約発効日からは法律としての効力をもつようになった。1982年,在留資格の変更,再入国制度の自由化をはかり,在日朝鮮人の特例永住許可制度を定め,また難民条約(日本は1981年加入)の趣旨に適合するよう改正が行われ,名称も現在のように変更された。アジアなどからの外国人の多量の流入が1980年代後半から続いており,1989年の改正で,あらゆる外国人を〈就労可〉と〈就労不可〉に二分し,前者については専門知識を有する者への枠を拡大し(職種を18種から28種に拡充),後者については,いわゆる〈単純労働〉の場合は従来どおり外国人の入国・滞在を認めず,不法入国者に対する取締りを強化し,不法入国者を雇用した雇用主に対する罰則規定(3年以下の懲役または200万円以下の罰金)を新設した。1997年の改正では,集団密航者の不法入国を援助する行為に対する処罰規定が設けられ,さらに99年には,(1)不法入国または不法上陸後に本邦に在留する行為に対する不法在留罪を新設(2)日本からの退去を強制された者に対する上陸拒否期間を1年から5年に伸長(3)再入国許可の有効期間を「1年を超えない範囲内」から「3年を超えない範囲内」に伸長する,という改正が行われた。2009年の改正では,(1)従来の外国人登録法による登録制度を廃止し,入管法のもとでの入国管理と在留管理を一元化し3ヵ月を超える合法的在留外国人に「在留カード」を交付(2)外国人研修,技能実習制度を見直し,労働法令を適用(3)在留資格の「就学」を「留学」に一本化するとした。→入国管理局外国人登録法
→関連項目外国人外国人労働者難民亡命

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