難民条約【なんみんじょうやく】
〈難民の地位に関する条約〉の略称。1951年成立,1954年に発効。第2次世界大戦後にヨーロッパで発生した大量の難民を救うため国際連合で採択されたが,その後他の地域でも難民問題が生じたため〈難民の地位に関する議定書〉が採択され1967年に発効,現在ではこの二つをあわせて難民条約と呼んでいる。難民とは人種,宗教,国籍,特定社会団体への加入や政治的信条のいずれかが原因で迫害を受けるおそれがあるため祖国を逃れた人々をいい,同条約ではこうした人々についての保護を各国に義務づけている。条約の成立と同時に1951年に国連難民高等弁務官事務所(本部ジュネーブ)が設置され難民の保護を目的として活動しているが,故国への帰還や第三国への移住の援助なども行っている。日本は1981年同条約に加入,1982年1月の発効にともなって出入国管理令が〈出入国管理および難民認定法〉に改正され,申請により難民(条約難民)として認定された場合については受け入れることになっている。
→関連項目亡命
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なんみん‐じょうやく〔‐デウヤク〕【難民条約】
《正式名称は「難民の地位に関する条約」》本国の庇護がおよばない難民の保護を目的とする国際条約。迫害のおそれのある国への追放・送還の禁止、任意帰国・再移住・定住に対する便宜を与えることなどを定めている。1951年、ジュネーブで締結され、1954年発効。日本は1981年(昭和56)に加盟、翌年発効。国連難民条約。
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なんみん‐じょうやく ‥デウヤク【難民条約】
「難民の法的地位に関する条約」の
通称。難民、政治的
亡命者の法的地位、保護、滞在国での
待遇などを定めた条約。昭和二九年(
一九五四)発効。
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知恵蔵「難民条約」の解説
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