出合(読み)いだしあわす

精選版 日本国語大辞典 「出合」の意味・読み・例文・類語

いだし‐あわ・す ‥あはす【出合】

〘他サ下二〙
① 互いに金銭などを出して、一つに合わせる。
日葡辞書(1603‐04)「カネヲ idaxi(イダシ) auaxete(アワセテ) アキナイヲ スル」
② 互いに軍兵などを出して戦わせる。
※梵舜本太平記(14C後)一九大塩松ケ崎の辺に、兵を出し合せて、日々夜々に軍の絶ゆる隙もなし」

だし‐あわ・す ‥あはす【出合】

〘他サ下二〙
① 互いに金銭などを出して、一つに合わせる。
史記抄(1477)三「清規達磨忌百丈忌の処に率衆と云は、大衆を率して物を出しあわせてするぞ」
② 互いに軍兵などを出して戦わせる。
※天草本平家(1592)三「ゴ ジッキ ヲ daxi(ダシ) auaxe(アワセ)

だし‐あい ‥あひ【出合】

〘名〙 互いに、自分の金銭や物品などを出すこと。金品を出しあって飲食したり、ものを買ったりすること。また、そのもの。
※虎寛本狂言・八句連歌(室町末‐近世初)「表八句なりと致うか。〈略〉其儀成らば出合に致しませう」

で‐あわ・す ‥あはす【出合】

[1] 〘自サ下二〙 であう。行きあう。遭遇する。
狂言記酢薑(1660)「一段日和にであわせたることかな」
[2] 〘自サ四〙 (一)に同じ。

だし‐あ・う ‥あふ【出合】

〘他ワ五(ハ四)〙 二人以上の人が互いに自分の金銭や物品、能力などを出す。
俳諧・西鶴大矢数(1681)第九二「唐網にあますな洩さす浪の月〈西仝〉 銭出しあふて町中の舟〈西筮〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「出合」の意味・読み・例文・類語

で‐あい〔‐あひ〕【出合(い)/出会(い)】

(「出逢い」とも書く)であうこと。思いがけなくあうこと。めぐりあい。「師との運命的な―」「一冊の本との―」
(出合い)川や沢などの合流する所。「本流との―」
(出合い)男女が密会すること。あいびき
(出合)取引で、売り手と買い手の値段・数が一致して、売買が成立すること。「―がつく」
連歌・俳諧で、一座の者が順によらず付句のできた者から付けていくこと。
知り合うこと。交際。つきあい。
博奕ばくちの―は相対づく」〈伎・韓人漢文〉
[類語]巡り合い邂逅奇遇鉢合わせ会う出会う出くわす行き合う巡り合う出会しゅっかいする遭遇する来合わせる居合わせる通り合わせる乗り合わせる再会する・一期一会一緒になる際会する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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