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出語り でがたり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

出語り
でがたり

浄瑠璃用語。人形浄瑠璃または歌舞伎で,太夫三味線 (ゆか) で観客に姿を見せて語る形式。古浄瑠璃時代は語り手は幕の内 (人形遣いの後方) で語ったが,元禄 (1688~1704) 頃から,道行,景事などの段に,人形の出遣い,太夫,三味線の出語りが流行。当時は人形と同一舞台上で行なった。近代以後の人形浄瑠璃では,各段の切場はもとより,御簾内 (みすうち。舞台に向って右上方) で語るべき端場まで,出語りすることが多くなった。歌舞伎では,常磐津や清元が演奏するところを山台と呼び,義太夫狂言の竹本 (→ちょぼ ) に限って床という。

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百科事典マイペディアの解説

出語り【でがたり】

歌舞伎演出用語。伴奏音楽の浄瑠璃の演奏者が舞台に姿を見せて演奏すること。反対に御簾(みす)の中で隠れて演奏するのを御簾内という。常磐津節清元節は出語り,河東節一中節などは御簾内が原則で,義太夫節は両方の場合がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

でがたり【出語り】

浄瑠璃用語。浄瑠璃の太夫と三味線が見物に姿を見せて演奏すること。初期の人形浄瑠璃では太夫と三味線は幕の陰で語っていたが,1705年(宝永2)大坂竹本座の《用明天王職人鑑》から出語り出遣いが始まったといわれる。現在の文楽では,ごく短い端場を除いて出語りが主となっており,演奏者は舞台上手(右)にしつらえた床(ゆか)に座し,肩衣を着用する。出語りでない場合は床の上部の御簾(みす)の陰で語るので〈御簾内(みすうち)〉と呼ぶ。

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大辞林 第三版の解説

でがたり【出語り】

歌舞伎で、浄瑠璃太夫と三味線弾きが舞台に設けられた席に出、見物人に姿を見せて演奏すること。義太夫節は御簾内みすうちで語る場合もあるが、常磐津節・富本節・清元節は出語りが原則。 ↔ 御簾内

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世界大百科事典内の出語りの言及

【歌舞伎】より

… 第2は観客から見える場所で演奏する音楽で,これは下座音楽のように劇の進行を助けるための伴奏ないし効果の域にとどまらず,俳優の芸と対等のものとして,演奏者個人の〈芸〉を聴かせる性格が強い。〈竹本〉(チョボ)と呼ばれる義太夫節の場合は,本来は上手(かみて)の2階にある御簾の内で顔を見せずに演奏したものであったが,後に上手の床(ゆか)で〈出語り〉をすることも行われるようになった。長唄と囃子は舞台正面の〈雛段(ひなだん)〉に,常磐津は下手,清元は上手にもうける〈山台(やまだい)〉で演奏するのを原則とする。…

※「出語り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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