懲役受刑者に課された義務で、生産作業や職業訓練などがある。生産作業では「矯正協会」の刑務作業協力事業部が原材料を提供するCAPIC製品のほか、企業からの発注で原材料提供を受けた製品も作られる。CAPIC製品では横浜刑務所横須賀刑務支所の洗濯せっけん「ブルースティック」などが高い人気を誇る。懲役と禁錮を廃止し「拘禁刑」に一本化する改正刑法が今年6月に成立。施行されれば刑務作業は義務でなくなり、指導や教育により多くの時間をかける処遇ができるようになる。
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
国が受刑者および労役場留置者に対して、矯正処遇として行わせる作業。懲役受刑者や労役場留置者に対する強制作業のほかに、禁錮(きんこ)・拘留受刑者の場合の「申出による作業」がある(刑事収容施設法92条・93条・288条)。刑務作業と区別すべきものに、「自己契約作業」がある。これは、刑事施設の被収容者が余暇活動時間内に、外部の者との請負契約により行う、物品の製作その他の作業のことをいう(同法39条1項。なお、未決拘禁者や死刑確定者に対しては矯正処遇としての作業は実施されないが、「自己契約作業」を認めることは可能である)。
作業は苦痛を与えることが目的ではなく、健康の維持、勤労意欲の喚起、職業的技能・知識の習得などを目的とする。作業には、目的・性質から、(1)生産作業(木工、洋裁、金属、革工などの物品を製作する作業および労務を提供する作業)、(2)自営作業(刑事施設における炊事、掃除、介助等の経理作業および施設の建物の修繕等の営繕作業)、(3)職業訓練がある。自由契約による労働ではないため、労働基準法などの適用はないが、労働災害に対する手当金、作業報奨金(賃金ではない)の制度がある。
刑事収容施設法は、「作業」を「改善指導(同法103条)」や「教科指導(同法104条)」と並ぶ矯正処遇の方法であると規定する(同法84条)。また、作業に重点を置きすぎると批判されてきた従来の処遇体制を改め、「刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則」は作業時間を「改善指導や教科指導の時間と合算して1日8時間を超えない範囲」とする(同規則47条1項、なお2項に注意)ほか、刑事施設の長は1月につき4日の範囲内で、作業以外の改善指導や教科指導の矯正処遇を行えることとした(同規則19条2項4号)。さらに、同法は釈放準備処遇として外部通勤制度を導入した(刑事収容施設法96条)。
[石川正興]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新