初詣(読み)はつもうで

精選版 日本国語大辞典 「初詣」の意味・読み・例文・類語

はつ‐もうで ‥まうで【初詣】

〘名〙 正月、その年初めて神社や寺に参詣すること。はつまいり。《季・新年》
万両(1931)〈阿波野青畝〉「口開いて矢大臣よし初詣」

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改訂新版 世界大百科事典 「初詣」の意味・わかりやすい解説

初詣 (はつもうで)

正月元旦の早朝,社寺に参詣する習俗で,ふつう除夜の鐘をきいてすぐ参詣に行くのを二年まいりと称している。都会の民俗として全国的に広まったが,とくに年の神のやってくる恵方(えほう)の方角にある社寺に参るのがよいとされた。恵方は陰陽道の知識に基づくもので,幸運のもたらされる方角とされている。恵方参りの初詣は,江戸時代,京,大坂,江戸を中心に,節分の夜行われていたが,一方,大晦日の夜,家の主人が氏神の社にこもったり,社前でたき火をして徹夜する風習があった。新年の出発を大晦日の夜とする感覚が,以前の庶民の中にはあったと考えられており,大晦日の神社籠りが初詣に通じている。しかし新年が午前零時にはじまるという考えが常識化するようになると,今度は元旦早朝の社寺詣が優勢になり現在の初詣に統一されたのである。
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