利他的行動(読み)りたてきこうどう

百科事典マイペディアの解説

利他的行動【りたてきこうどう】

利他行動とも。自らの不利益をかえりみず他の個体に利益をもたらす行動。社会性昆虫のワーカー(働きアリや働きバチ)による子の養育,ヘルパー行動が典型的なもの。グルーミングのように個体間で利他的行動がやりとりされる場合は互恵的利他行動と呼ばれる。一般に利他的行動の進化は,血縁淘汰説などによって説明される。
→関連項目包括適応度利己的遺伝子

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世界大百科事典 第2版の解説

りたてきこうどう【利他的行動 altruistic behavior】

みずからの利益を犠牲にして他の個体を助ける行動。利他行為ともいう。一般には,人間が他人の苦境にさいして労力的・経済的・精神的などの援助をする行為(利他主義)も含むが,社会生物学ないし行動生態学では特別な概念として用いられている。すなわち,自分の残す子孫の数が減るにもかかわらず,他個体の生存を助け,その子孫を増やしてやるような行為をいう。性的には雌であるのに自分は産卵せず,女王バチの生む子を養育し,身を犠牲にしても巣を防衛する働きバチの行動は典型的な利他的行動である。

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世界大百科事典内の利他的行動の言及

【血縁淘汰】より

… 社会性昆虫には,ワーカー(働きバチ,働きアリ)と呼ばれる自分は子を産まずに弟妹の世話をする個体がいる。こういう利他的行動を発現させる遺伝子がどうして子孫に伝わったかはC.ダーウィン以来のなぞであったが,1964年ハミルトンW.D.Hamiltonは,ワーカーの行為によってワーカーと同じ遺伝子を一部父母からもらっている弟妹がよく生存し,たくさんの子を残すなら,ワーカーの遺伝子も近親者というバイパスを通じて子孫に伝わることを明らかにした。このようなバイパスを通じての淘汰が血縁淘汰である。…

【行動】より

…ウサギが巣穴から,わざと違う方向に遠く逃げるのも仲間を守る意味で防衛行動に含まれよう。このような行動は,自分の身を捨てても同種の仲間を守る意味で利他的行動ともいわれる。
[闘争行動aggressive behavior]
 動物が自分の所有する有利な特徴を用いて,不安の対象,あるいは敵対する相手に対して攻撃をしかけることで,捕食のための攻撃とは区別する。…

※「利他的行動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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