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利己的遺伝子 りこてきいでんしselfish-gene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

利己的遺伝子
りこてきいでんし
selfish-gene

行動生物学者 R.ドーキンスによって提唱された概念。ダーウィニズムによれば,進化はより適応度の高い変異を持った個体が他の個体との生存競争に勝ち,子孫にその変異を伝える,いわゆる自然選択によって起こるとされる。この自然選択の定義に従えば,より利己的な個体ほど生存しやすく,子孫を残すチャンスが多いと考えられるが,実際には自分を犠牲にして他の個体を生存させようとする「利他的行動」が多くの動物において見られる。しかし,自分と共通の遺伝子の一部を持つ子孫を生存させることができれば,自分が犠牲になっても自分の遺伝子をより多く残すことができる。つまり,自然選択の結果生き残るのは,このように個体を犠牲にしてでも自分のコピーを残そうとする「利己的な遺伝子」であり,生物はそのために利用される道具にすぎない,と考えることで利他的行動も説明できる。

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デジタル大辞泉の解説

りこてき‐いでんし〔‐ヰデンシ〕【利己的遺伝子】

英国の生物学者R=ドーキンスが、C=ダーウィンの進化論における自然選択を、個体ではなく遺伝子の視点から捉えなおすことを強調するために用いた比喩的表現。不妊の働きバチの利他的行動が、個体の生存ではなく、自分の遺伝子に近い子孫を女王バチが残すことに有利にはたらくことなどがあげられる。社会性昆虫をはじめ、一見、個体の利益に直接寄与しないと思える利他的な行動がしばしば見られるが、それらは遺伝子の利己性に基づく行動とみなすことで理解できると主張した。名称は1976年のドーキンスの著書「利己的な遺伝子」にちなむ。利己的DNA

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百科事典マイペディアの解説

利己的遺伝子【りこてきいでんし】

自然淘汰の対象となるのは個体ではなく,その遺伝子であるという現代進化論の考え方を強調するためにR.ドーキンスが用いた比喩的表現。結果的に自己の増殖につながる作用をもつ遺伝子が淘汰を生き延びること。

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