総務庁(読み)そうむちょう

精選版 日本国語大辞典 「総務庁」の意味・読み・例文・類語

そうむ‐ちょう ‥チャウ【総務庁】

〘名〙 国家公務員人事行政行政機関の管理・運営を担当した国の行政機関。昭和五九年(一九八四)に総理府本府の大部分行政管理庁とが統合、総理府の外局として発足、平成一三年(二〇〇一自治省郵政省とともに総務省に統合された。

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デジタル大辞泉 「総務庁」の意味・読み・例文・類語

そうむ‐ちょう〔‐チヤウ〕【総務庁】

行政機関組織人事・運営、また特定施策・事務の総合的調整を担当した中央行政機関。昭和59年(1984)総理府本府と行政管理庁の組織・機能を統合、総理府の外局として設置。平成13年(2001)自治省郵政省と共に総務省に統合された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「総務庁」の意味・わかりやすい解説

総務庁
そうむちょう

国家行政組織法に基づき、総務庁設置法によって、旧総理府の外局として1984年(昭和59)に設置された国の行政機関。2001年(平成13)1月の中央省庁再編に伴い、自治省、郵政省とともに再編統合され、総務省となった。

 総務庁は、(第二次)臨時行政調査会の基本答申(第三次答申)の「総合管理庁」構想を受けて、政府部内における総合調整機能、総合管理機能の再編整備をねらいとして設置された。総務庁は、このような目的から、「行政の総合的かつ効率的な実施に寄与するため、人事行政に関する事務、行政機関の機構定員及び運営に関する事務その他特定の施策及び事務の総合調整に関する事務で他の行政機関の所掌に属しないもの並びに行政機関の業務の監察恩給及び統計に関する事務を一体的に遂行することを主たる任務とする」機関とされていた(総務庁設置法3条)。したがって総務庁は、行政管理庁の事務と、総理府本府の事務のうち、人事局の国家公務員等の人事管理に関する総合調整その他人事行政に関する事務、恩給局の恩給に関する事務、統計局の国勢調査等の事務等、および交通安全対策等、特定の行政分野における事務の総合調整を引き継いだことになった。長官には国務大臣があてられ、内部部局として長官官房のほか人事、行政管理、行政監察、恩給、統計の5局が置かれ、審議会として公務員制度審議会など(政令によるものを含め5)、施設等機関として統計センター、特別の機関として青少年対策本部および北方対策本部、および地方支分部局として七つの管区行政監察局や沖縄行政監察事務所などが置かれていた。

 2001年の中央省庁再編により、総務庁の内部部局に関しては、行政管理局、統計局はそのまま新省庁である総務省に引き継がれたが、行政監察局は行政評価局に改称されたうえで、また、人事局と恩給局については人事・恩給局に統合されたうえで、総務省に引き継がれた。施設等機関に関しては、統計センターはそのまま総務省の施設等機関として引き継がれたが、2003年4月に独立行政法人化された。特別の機関に関しては、青少年対策本部の機能が内閣府、文部科学省、警察庁にそれぞれ引き継がれ、北方対策本部は、内閣府に引き継がれた。

[福家俊朗・山田健吾]

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改訂新版 世界大百科事典 「総務庁」の意味・わかりやすい解説

総務庁 (そうむちょう)

第2次臨時行政調査会答申関連の行政機構改革の一環として,総理府本府の大半と行政管理庁の全部の組織,機能を統合再編成して1984年7月1日に設置された。政府部内において行政の総合調整機能の緊密かつ総合的な発揮を図ることを主眼とする行政機関であり,長官官房,人事行政を担当する人事局(旧総理府),行政機関の機構・定員および運営等の総合調整および行政改革の推進を担当する行政管理局(旧行政管理庁),行政監察および行政相談を担当する行政監察局(旧行政管理庁),恩給行政を担当する恩給局(旧総理府),統計および統計制度の企画・総合調整および基幹的統計調査の実施等を担当する統計局(旧総理府統計局と旧行政管理庁統計主幹部局の統合再編)の5局を中心とし,青少年対策本部,北方対策本部,統計センター,交通安全対策室,老人対策室,地域改善対策室のほか,公務員制度審議会等の5審議会が置かれる。地方支部分局としては管区行政監察局,沖縄行政監察事務所が置かれる。2001年の省庁再編により郵政省,自治省と統合されて総務省となった。
行政改革
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百科事典マイペディア 「総務庁」の意味・わかりやすい解説

総務庁【そうむちょう】

1984年−2000年に存在した行政機関。総理府本府の大半と行政管理庁の全部の組織,機能と統合して総理府外局として設置。行政の総合調整機能の緊密かつ総合的な発揮を主たる任務とし,公務員制度審議会などが置かれた。長官は国務大臣中央省庁等改革基本法により2001年から郵政省,自治省と統合されて〈総務省〉となった。→行政監察
→関連項目縦割り行政

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「総務庁」の意味・わかりやすい解説

総務庁
そうむちょう

国家行政組織法および総務庁設置法に定められた国の行政機関。行政の総合的かつ効率的な実施に寄与するため,人事行政に関する事務,行政機関の機構,定員,運営に関する事務,その他特定の施策,事務の総合調整に関する事務,行政機関の業務の監察,恩給,統計に関する事務を一体的に遂行することを任務とする。 1984年7月,政府における総合調整機能の活性化とその総合的発揮をはかるため,総理府本府および行政管理庁を統合再編成し,総理府の外局として設置された。国務大臣たる総務庁長官を長とし,内部部局として,長官官房および人事,行政管理,行政監察,恩給,統計の5局がおかれ,地方支分部局として7つの管区行政監察局,沖縄行政監察事務所,四国行政監察支局などが設置された。 2001年1月省庁再編により自治省郵政省と統合され総務省となった。

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世界大百科事典(旧版)内の総務庁の言及

【行政監査】より

…行政監査は,もともと会計検査院による立法部統制たる事後的な外部監査が主であったが,行政機能の増大にともない,行政の内部統制手段として事前の会計・業務監査も重視されることになった。 日本における中央の行政監査には,各省庁および特殊法人の内部監査(各省庁には特別の業務監査,特殊法人には監事監査がある),総務庁(1984年6月までは行政管理庁)による行政監察および大蔵省によるいわゆる四六監査(会計法46条に基づき大蔵大臣が行う予算執行状況監査)などの準外部監査(視点を各省庁側におけば外部監査であるが,行政部全体におけば立法部に対する意味では内部監査である)のほか,会計検査院が国の収入支出の検査を通じ総括的に行う外部監査がある。 このうち総務庁の所管とされる行政監察は,行政の適正かつ効率的な運営を期するために,各行政機関の業務の実施状況を調査し,必要な改善勧告を行うことである。…

※「総務庁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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