勝手方(読み)かってかた

精選版 日本国語大辞典「勝手方」の解説

かって‐かた【勝手方】

〘名〙
① 食事を作る所。また、そのの人。まかない方。〔和英語林集成(再版)(1872)〕
台所に近い方。下(しも)
浄瑠璃・曾我五人兄弟(1699頃)二「所領の高下(かうげ)にしたがって、しだいしだいに座につけば、祐成親子はかってがた」
※禁令考‐前集・第二・巻一五・享保六年(1721)七月「御勝手方え可付分〈〉一、金銀米銭納払一件之事」
④ 貴人の屋敷などで、家人が日常に使用する奥向きの場所。

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百科事典マイペディア「勝手方」の解説

勝手方【かってかた】

江戸時代,幕府および諸藩の諸役のうち会計関係を扱った者。幕府では老中(ろうじゅう),若年寄(わかどしより),勘定奉行(かんじょうぶぎょう)(所)などに置かれた。勘定所の場合1721年に勝手方と公事方(くじかた)に分けられ,翌1722年には勘定奉行も勝手方,公事方に分離した。勝手方では幕府直轄領の年貢徴収,金銀米穀の出納代官任免知行割などを行い,公事方は民事刑事の訴訟を取り扱った。

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旺文社日本史事典 三訂版「勝手方」の解説

勝手方
かってがた

江戸幕府において財務行政を担当したものの呼称
直轄領の租税徴収,金穀の出納などをつかさどった。幕府は1721年勘定奉行4名を財務担当の勝手方2名と司法担当の公事方 (くじがた) 2名に分け,分掌を明らかにした。諸藩においてもほぼ同じようなものが置かれた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「勝手方」の解説

勝手方
かってがた

「国用の事」ともいう。江戸幕府の財務,行政関係を担当した機関。幕府直轄領の租税の徴収管理を行い,代官を支配した。享保7 (1722) 年,勘定奉行 4名が勝手方と公事方 (訴訟事務を担当) にそれぞれ2名ずつ分れ,職務を分担した。諸藩にも類似の機関があった。

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デジタル大辞泉「勝手方」の解説

かって‐かた【勝手方】

台所。食物を調理する所。また、その係の人。
台所に近い方。しもの座。
江戸幕府の職制中の分掌名。勘定奉行をはじめ老中若年寄などのうち、もっぱら財政を担当したもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「勝手方」の解説

勝手方
かってがた

江戸時代、幕府・諸藩の財政担当。幕府の勘定所(かんじょうしょ)では財政を担当し、訴訟を扱う公事(くじ)方に対する。

[編集部]

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世界大百科事典内の勝手方の言及

【勝手掛】より

…1712年(正徳2)中絶,17年(享保2)復活した。22年水野忠之が就任,前年の勘定所勝手方分課に対応し改革を行った。37年(元文2)松平乗邑が任じて年貢増徴を進めた。…

【勘定奉行】より

…勘定組頭は64年(寛文4)初めて6人が置かれ,御殿詰,上方,関東方に分けられていたが,1723年(享保8)この区分は廃止され,勘定奉行による一元的代官統制が実現した。1721年勘定所職務は司法を行う公事方と財政事務を行う勝手方に分かれ,翌年勘定奉行,勘定吟味役も双方に分かれ2人ずつ1年交代で勤務した。公事方は役宅で,勝手方は御殿,下勘定所で執務した。…

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