江戸後期の儒者、漢詩人。名を譲(じょう)、字(あざな)を子譲、号を霞亭、通称を譲四郎という。志摩(三重県)的矢(まとや)の医者の家に生まれる。京都に出て儒学を皆川淇園(みながわきえん)に学び、ついで江戸の亀田鵬斎(かめだほうさい)の塾で学んだ。1808年(文化5)伊勢(いせ)神宮内宮の林崎(はやしざき)文庫の長に迎えられたが、ほどなく辞して京都の嵯峨(さが)に隠棲(いんせい)した。その後、菅茶山(かんさざん)に招かれ、備後(びんご)(岡山県)神辺(かんなべ)の廉塾(れんじゅく)の塾頭になった。また福山藩の儒者に取り立てられたが、江戸詰御用として江戸滞在中に病没した。東京・巣鴨(すがも)の真性寺に墓が現存する。『嵯峨樵歌(さがしょうか)』(1812)や『薇山三観(びざんさんかん)』(1820)などの詩集がある。
[揖斐 高 2016年7月19日]
『中村真一郎著『頼山陽とその時代』(1971・中央公論社/中公文庫)』▽『『北条霞亭』(『鴎外全集18』所収・1973・岩波書店)』
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(揖斐高)
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