十翼(読み)じゅうよく(英語表記)Shi-yi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

十翼
じゅうよく
Shi-yi

中国,儒教経書易経』を (たす) ける 10編の注釈。「彖 (たん) 」上,下,「象伝」上,下,「繋辞伝」上,下,「文言伝」「説卦伝」「序卦伝」「雑卦伝」から成る。『』を単なる占いの方法の書から人事変化の理を探索する哲学書に転換させる理論的根拠を与えた文章で,中国哲学に深い影響があった。孔子と伝えられているが,実はの間の成立。

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デジタル大辞泉の解説

じゅうよく〔ジフヨク〕【十翼】

易経」の解釈書。経の本文を補翼する10編の書ので、彖伝(たんでん)(上・下)、象伝(しょうでん)(上・下)、繋伝(けいじでん)(上・下)、文言伝、説卦伝(せっかでん)、序卦伝(じょかでん)、雑卦伝の10編からなる。孔子の著とされてきたが、成立は戦国時代から代のころ。

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占い用語集の解説

十翼

易経の本文の「経」を補足したものを「伝」といい、十編で構成されているので「十翼」と呼ばれる。その意味はの翼がでその身を支えるように、十編の「伝」も本文を支えるといった意味合いが込められている。十編の内容は「彖伝上・下」・「象伝上・下」・「繋辞伝上・下」・「説卦伝」・「文言伝」・「序卦伝」・「雑卦伝」からなる。孔子の作とされているが真相は不明である。

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世界大百科事典 第2版の解説

じゅうよく【十翼 Shí yì】

易経》の注釈(伝)。彖(たん)伝(上下),象伝(上下),繫辞(けいじ)伝(上下),文言伝,説卦(せつか)伝,序卦伝,雑卦伝の10編あるのでこう呼ぶ(翼はたすける意)。旧社会の儒者たちは,八卦六十四卦伏羲(ふくぎ),卦辞(各卦に付された占断の辞)は文王(こう)辞(各卦の各爻に付された占断の辞)は周公,十翼は孔子の制作と信じていたが,むろんこれは《易》を権威づけるために言われた,文献学的根拠のない伝説にすぎない。

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大辞林 第三版の解説

じゅうよく【十翼】

「周易(易経)」の解説書。「経文を翼たすける一〇の書」の意。孔子の作といわれるが、成立は秦・漢の頃と推定される。「周易」を体系的統一的に把握するための理論を打ち立てたもので、特に「繫辞伝けいじでん」は、易の根本原理と宇宙観を述べる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

十翼
じゅうよく

『易経(えききょう)』を解釈し、易の理論を述べるところの「彖伝(たんでん)」(上下)、「象(しょう)伝」(上下)、「文言(ぶんげん)伝」、「繋辞(けいじ)伝」(上下)、「説卦(せっか)伝」、「序卦伝」、「雑卦伝」の10篇(ぺん)をいい、紀元前後ごろには成立していた。[藤原高男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

じゅうよく ジフヨク【十翼】

易の経文に付属し、これを補翼する一〇編の書。彖(たん)伝上下・象(しょう)伝上下・繋辞(けいじ)伝上下・文言(ぶんげん)伝・説卦(せっか)伝・序卦伝・雑卦伝のこと。経文を解説するほか、易の意義、成立の次第、筮(ぜい)法などを述べる。古来、孔子の作と伝えられ、易経という場合には、経文のほかに十翼を含めていう。
※菅家文草(900頃)一・仲秋釈奠、聴講周易、賦鳴鶴在陰「縦使清声千万和、不十翼豈高聞」 〔文心雕龍‐宗経〕

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世界大百科事典内の十翼の言及

【易経】より

…《周易》,《易》ともいう。本文(経(けい))は64種類の象徴的符号(卦(か))と,そのおのおのに付された短い占断の言葉から成っており,本文の解説(伝(でん))は彖(たん)伝をはじめ10編があるので,これを十翼(翼はたすける意)という。《易経》はこの経と伝との総称である。…

※「十翼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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