《易経》の注釈(伝)。彖(たん)伝(上下),象伝(上下),繫辞(けいじ)伝(上下),文言伝,説卦(せつか)伝,序卦伝,雑卦伝の10編あるのでこう呼ぶ(翼はたすける意)。旧社会の儒者たちは,八卦と六十四卦は伏羲(ふくぎ),卦辞(各卦に付された占断の辞)は文王,爻(こう)辞(各卦の各爻に付された占断の辞)は周公,十翼は孔子の制作と信じていたが,むろんこれは《易》を権威づけるために言われた,文献学的根拠のない伝説にすぎない。孔子十翼制作説はすでに宋の欧陽修によって否定されたが(《周易童子問》),今日では,十翼はたがいに思想内容を異にしており,ひとりが同時に書いたものではなく,戦国時代から漢初に至る間に段階的に作られた,とされている。ともあれ《易経》は,十翼(特に繫辞伝)を得て思想的な内実を備えるようになった。
執筆者:三浦 国雄
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…《周易》,《易》ともいう。本文(経(けい))は64種類の象徴的符号(卦(か))と,そのおのおのに付された短い占断の言葉から成っており,本文の解説(伝(でん))は彖(たん)伝をはじめ10編があるので,これを十翼(翼はたすける意)という。《易経》はこの経と伝との総称である。…
※「十翼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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