南鳥島(読み)ミナミトリシマ

デジタル大辞泉 「南鳥島」の意味・読み・例文・類語

みなみ‐とりしま【南鳥島】

西太平洋にある日本東端の島。東京都小笠原村に属する。隆起サンゴ礁からなり、父島南東1200キロメートルに位置する。明治29年(1896)水谷新六が発見気象観測地。古くからアホウドリの繁殖地。マーカス島。ウイーク島。

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共同通信ニュース用語解説 「南鳥島」の解説

南鳥島

日本最東端の島。オーストラリアシドニーよりもやや東側にある。一辺約2キロの正三角形に近い形状で、周囲をサンゴに囲まれている。一般の住民はいないが、国の施設があり、海上自衛隊員や気象庁職員らが滞在している。近年は、ハイテク機器に用いられるレアアース(希土類)が周辺海域で大量にみつかり、資源探査で注目を集めている。

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精選版 日本国語大辞典 「南鳥島」の意味・読み・例文・類語

みなみ‐とりしま【南鳥島】

  1. 北太平洋西部、北緯二四度一七分・東経一五三・五九度にあるサンゴ礁孤島。明治二九年(一八九六)水谷新六が初調査。同三一年日本領となる。東京都小笠原支庁小笠原村に属する。第二次大戦後アメリカ合衆国の軍政下に置かれ、昭和四三年(一九六八復帰した。古くからアホウドリの繁殖地。

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日本歴史地名大系 「南鳥島」の解説

南鳥島
みなみとりしま

ちち島の東南東約一三〇〇キロ、北緯二四度一四分、東経一五三度五八分にある日本最東端の島。面積一・一平方キロ。一九世紀後半にはマーカス島の名で欧米では知られていた。明治一二年(一八七九)、同一六年に日本人が調査測量し、同二九にはアホウドリの羽毛採取と漁業のための移住者があった。同三一年正式の日本領土となり、南鳥島と命名されて東京府に所属。石井浦・水谷村・垣木崎・笠置崎・黒井崎などの地名が付けられた。同三三年には新たに八人が移住、同四三年の七一人が最高の人口で、以降減少している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「南鳥島」の意味・わかりやすい解説

南鳥島
みなみとりしま

東京都小笠原(おがさわら)支庁小笠原村に属する島。日本最東端に位置し、英語名でマーカス島Marcus Islandともよばれる。小笠原諸島に含まれるが、父島の南東1200キロメートルの西太平洋上の孤島。面積約1.5平方キロメートル、周囲約7.6キロメートル、標高約9メートルの低平な三角形の隆起サンゴ礁からなる。1896年(明治29)水谷新六が踏査、捕鳥(アホウドリ)、漁業の目的で日本人を移住させた。1898年小笠原島庁の所属となり、南鳥島と命名した。かつてはグアノの採掘、鳥毛の採集、カツオ漁、ヤシ栽培などが行われ30~40人の島民も居住したが、第二次世界大戦で住民は引き揚げ、戦後はアメリカ軍統治下に置かれ、1968年(昭和43)小笠原諸島とともに返還された。現在、海上自衛隊員と海上保安庁職員および気象庁の観測員がいる。人口23(2010)。

[菊池万雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「南鳥島」の意味・わかりやすい解説

南鳥島 (みなみとりしま)

小笠原諸島に属する日本最東端(北緯24°17′,東経153°59′)の島。マーカスMarcus島とも呼ばれた。東京都小笠原支庁小笠原村に含まれる。父島から南東に約1000km隔てた亜熱帯の孤島で,周囲7.6km,面積2km2,標高10m以下の低平な三角形の隆起サンゴ礁からなる。1896年水谷新六によって発見され,98年の東京府告示で当時の東京府小笠原支庁の所管となった。明治末期から昭和初期にかけて移民がみられ,グアノの採掘,鳥毛の採集,カツオ釣漁業,ヤシ栽培などが行われた。第2次大戦中,日本人の産業活動は停止され,戦後はアメリカ軍の統治下に置かれたが,1968年小笠原諸島の一島として日本に復帰,気象庁とアメリカ軍(現在は撤退)が気象観測を行っている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南鳥島」の意味・わかりやすい解説

南鳥島
みなみとりしま

東京都小笠原諸島の東端にある隆起サンゴ礁の島。北緯 24°16′59″,東経 153°59′11″にあり,日本の最東端をなす。面積約 1.46km2。小笠原支庁小笠原村に属する。島の周囲には最大幅約 200mのサンゴの裾礁が形成されている。1896年水谷新六がカツオ漁業と鳥毛採集を目的に,日本人労働者を移住させたのが居住の始まり。1898年日本領土として南鳥島と命名された。その後数十人が居住して,鳥毛やグアノ(鳥糞石),リン鉱採集,カツオ漁業,ヤシの栽培などに従事したが,1930年頃以降はほとんど離島。第2次世界大戦中は日本海軍の航空基地に利用されていた。戦後はアメリカ合衆国軍管理下に置かれたが,1968年日本に復帰。台風観測の重要地点にあたり,気象観測所がある。海上自衛隊の航空派遣隊と気象観測の関係者が駐在。

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百科事典マイペディア 「南鳥島」の意味・わかりやすい解説

南鳥島【みなみとりしま】

マーカス島とも。北緯24°17′30″,東経153°58′の西太平洋上にある孤島。低平な三角形の隆起サンゴ礁で,面積1.52km2。1896年水谷新六が発見,1898年日本領とされ東京都小笠原支庁に所属,鳥糞(ふん)採取,カツオ漁,ヤシ栽培などが行われていたが,戦後は米軍が統治,1968年日本に復帰。気象観測上の重要地点で,気象観測所がある。
→関連項目小笠原諸島

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知恵蔵mini 「南鳥島」の解説

南鳥島

日本最東端の小笠原諸島の島。マーカス島とも呼ばれる。1898年、日本の領土となるが戦後占領され、1968年に返還された。一般市民の定住者はいない。2012年7月、東京大学の研究グループにより、レアアースを大量に含む泥状の鉱床が島の周辺海底に発見された。

(2012-07-02)

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世界大百科事典(旧版)内の南鳥島の言及

【小笠原諸島】より

…伊豆諸島の南方,太平洋上にある聟島列島父島列島母島列島硫黄列島(火山列島),西之島南鳥島沖ノ鳥島の小島を含む島嶼(とうしよ)群。全域が東京都小笠原支庁小笠原村に属し,行政中心は父島の大村で,東京都小笠原支庁がおかれ,母島に出張所がある。…

※「南鳥島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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