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単純性腸潰瘍/非特異性多発性小腸潰瘍 たんじゅんせいちょうかいようひとくいせいたはつせいしょうちょうかいよう Simple Ulcer of the Intestine / Nonspecific Multiple Ulcers of the Small Intestine

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家庭医学館の解説

たんじゅんせいちょうかいようひとくいせいたはつせいしょうちょうかいよう【単純性腸潰瘍/非特異性多発性小腸潰瘍 Simple Ulcer of the Intestine / Nonspecific Multiple Ulcers of the Small Intestine】

[どんな病気か]
 どちらも腸管に潰瘍を形成する病気ですが、発生の原因も誘因も不明です。
 単純性腸潰瘍は小腸や大腸(だいちょう)、とくに回盲部(かいもうぶ)(右下腹部)によく生じる円形の深い単発性の潰瘍で、30~40歳代の男性に多くみられます。いったん改善しても、しばしば再発します。
 非特異性多発性小腸潰瘍は、回腸末端を除く下部小腸に多い、多発性の浅い潰瘍で、若い人にみられます。
 どちらも比較的まれな病気ですが、治療がむずかしく、慢性化しやすい特徴があります。
[症状]
 共通の症状としては腹痛、潰瘍からの出血による下血(げけつ)、それにともなう貧血を認めることがあります。
 単純性腸潰瘍では腹痛が最初の症状であることが多く、非特異性多発性小腸潰瘍では貧血がきっかけで診断されることがよくあります(コラム単純性腸潰瘍と非特異性多発性小腸潰瘍の特徴的な症状」)。
[検査と診断]
 単純性腸潰瘍では血液検査白血球(はっけっきゅう)の増加や炎症所見がみられますが、非特異性多発性小腸潰瘍ではあまりみられません。また、貧血や血液中のたんぱく質の減少がみられることがあり、便に潜血反応がみられることもあります。
 以上のような症状や、血液・便検査によって腸の病気が疑われた場合、まず腸の造影検査が行なわれます。
 単純性腸潰瘍では、注腸(ちゅうちょう)検査(大腸の造影検査)を行なうと、回盲部に境界のはっきりした円形の深い潰瘍が見つかります。回盲部の弁が破壊されていることもあります。大腸内視鏡検査でも同様の所見がみられます。
 非特異性多発性小腸潰瘍では小腸の造影検査で浅い潰瘍の多発がみられ、それによる粘膜のひきつれや腸管の軽い狭窄(きょうさく)が見つかったりします。
 このような検査結果が出たとしても、必ずしもこれらの疾患と診断されるわけではなく、潰瘍性大腸炎クローン病、腸管ベーチェット病、感染による腸炎などとの鑑別が重要です。ただし、単純性腸潰瘍と腸管ベーチェット病でみられる腸潰瘍との区別は非常にむずかしく、同じ病因・病態の可能性もあり、十分な経過観察がたいせつです。
[治療]
 いずれも基本的には内科的な治療が第一です。原因不明のため根本治療がなく対症療法が中心となりますが、効果はあまり期待できません。
 単純性腸潰瘍ではサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)やステロイドが有効なことがありますが、非特異性多発性小腸潰瘍に対する有効な薬物療法は現在のところありません。
 症状がひどい場合は、腸管の安静のために点滴や成分栄養剤の摂取が行なわれます。貧血に対しては鉄剤の使用や輸血が行なわれます。
 内科的治療で改善しない場合、潰瘍が深く腸に穴があいた場合、腸に狭窄ができ食物が通りにくい場合は、やむなく手術が実施されることがあります。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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