占冠(読み)しむかっぷ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「占冠」の意味・わかりやすい解説

占冠(村)
しむかっぷ

北海道中央部、上川(かみかわ)総合振興局管内の村。西流して太平洋に注ぐ鵡(む)川の上流域にあたり、東は日高山脈、西は夕張山地の山岳地が占め、村域の94%が山林、85%が国有林となっている。村名はアイヌ語「シモカプ」(はなはだ静かで平和な上流の場所の意)による。肉牛乳牛飼育、カボチャをはじめとする野菜などの畑作稲作のほか、山菜加工、製材も行われる。国道237号が南北に通じ、1981年(昭和56)には道央と十勝平野を結ぶ国鉄(現、JR)石勝(せきしょう)線が開通。トマム山(1239メートル)一帯は大規模なリゾートとして開発され、スキー場、ゴルフ場、ホテルなどがある。面積571.41平方キロメートル、人口1306(2020)。

岡本次郎


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改訂新版 世界大百科事典 「占冠」の意味・わかりやすい解説

占冠[村] (しむかっぷ)

北海道中央部,上川支庁南部にある勇払(ゆうふつ)郡の村。人口1394(2010)。日高山脈と夕張山地の間の山岳地に位置し,村域の85%を国有林が占める。耕地は鵡(む)川とその支流の河谷に開け,米作および乳牛・肉牛の飼育が行われる。林業を主体とする典型的山村で,過疎化が著しかったが,1981年中央部を東西に抜ける国鉄(現JR)石勝(せきしよう)線が開通し,大きく変貌した。占冠,トマムの2駅が置かれ,千歳駅を経て札幌,函館へ特急,急行が通じ,新千歳空港駅まで1時間余,札幌まで2時間で結ばれた。村営の山菜工場があり,石勝高原付近に高原スキー場がつくられた。83年大型リゾートのアルファリゾート・トマムが開業。2007年道東自動車道のトマム~十勝清水間が開通した。自然林にかこまれた赤岩青巌峡は蛇紋岩帯を鵡川が横切るために生まれた景勝である。国道237号線が旭川へ通じる。
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百科事典マイペディア 「占冠」の意味・わかりやすい解説

占冠[村]【しむかっぷ】

北海道中央部,勇払郡の村。東から西へ鵡川が貫流し,わずかに農耕地が点在するが,村の大半は山林で占められる。鵡川に沿ってJR石勝線と道東自動車道が,南北に国道237号が通じ,南部を国道274号がかすめる。林業や酪農が基幹産業であるが,トマム地区には大規模なリゾート施設があり,四季を通じて観光客を集めている。南部の鵡川に沿う赤岩青巌峡は紅葉の名所として知られる。571.41km2。1394人(2010)。

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