デジタル大辞泉
「唐臼」の意味・読み・例文・類語
から‐うす【唐臼/×碓】
1 地面を掘って臼を据え、杵の一端を足で踏んで穀類などをつく仕掛けのもの。ふみうす。
2 (「殻臼」とも書く)稲などのもみがらを落とすための農具。上臼と下臼からなる。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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から‐うす【唐臼・碓】
- 〘 名詞 〙
- ① 臼を地面に埋め、梃子(てこ)を応用して足で杵(きね)の柄を踏みながら、杵を上下し、米などの穀類をつくもの。ふみうす。じからうす。
- [初出の実例]「囀(さひづ)るや 辛碓(からうす)に舂(つ)き 庭に立つ 手臼に舂き」(出典:万葉集(8C後)一六・三八八六)
- 「おどろおどろしく踏みとどろかすからうすの音」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
- ② 稲などのもみがらを落とす農具。固定された下臼に上臼をすり合わせて、もみがらを落とすもの。もみすりうす。すりうす。
- [初出の実例]「磑(すりうす)は又唐うすともいふ」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉二)
- ③ 操り人形の胴串部分の一つ。
- [初出の実例]「胴串 からうすと云」(出典:滑稽本・狂言田舎操(1811)人形全体之図)
唐臼の補助注記
従来の手臼に対して、足で踏んでつく臼をいうが、カラ(柄)のついた臼の意とする説のほか、カラを中国・朝鮮など外国を指す「唐」と考える説もある。
かる‐うす【唐臼】
- 〘 名詞 〙 「からうす(唐臼)」の変化した語。
- [初出の実例]「可流羽須(カルウス)は田廬(たぶせ)のもとにわが背子はにふぶに咲みて立ちませり見ゆ」(出典:万葉集(8C後)一六・三八一七)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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唐臼
からうす
江戸時代の脱穀具
「とううす」とも読む。すり臼系統の唐臼は,上臼に取り付けた遣木 (やりき) を数人で回し,籾 (もみ) がらをのぞいて玄米にする。寛永初年(16世紀前半)に中国からもたらされ,従来の木の臼より能率がよく,享保(1716〜36)ごろから普及。つき臼系統の唐臼もあり,これは臼の部分を地面にすえ,杵にあたる部分を足で踏み,脱穀する。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
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唐臼
からうす
てこの原理を応用した足踏み式の臼。臼と杵を取付けた棹木から成り,支点をはさんで棹木の一方の端を踏んで用いる。日本では平安時代の文献にすでに現れているが,一般に普及したのは江戸時代になってからで,初め米屋などで米の精白に用いられていたものがのちに農家にも広まり,籾ずりなどにも用いられた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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からうす【唐臼/碓】
➀地面を掘ったところに臼を据え、杵(きね)の柄を足で踏み、てこの原理を応用して穀類などをつく仕掛けのもの。
➁磨(す)り臼の一種。上臼と下臼をすり合わせ、稲などのもみがらを落とすもの。
出典 講談社食器・調理器具がわかる辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の唐臼の言及
【臼】より
…すでに平安時代ころから存在したようであるが,広く普及するのは大坂,江戸など都市部で精白が専業化した17世紀初めころである。中国からの輸入技術なので〈唐臼(からうす)〉と呼んだ。この場合の臼は,木製と石製とがあった。…
【立回り】より
…〈霞〉=甲乙が後ろ前に位置し,乙は下にいて,甲乙が右左と交差して刀を一文字に流す。〈唐臼(からうす)〉=双方が刀を上段に構え右足から入れ違いながら切りおろす,これを2度くり返す。〈切り違え〉=双方背中合せとなり,右左と互い違いに切り払う。…
※「唐臼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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