唐臼(読み)かるうす

精選版 日本国語大辞典 「唐臼」の意味・読み・例文・類語

かる‐うす【唐臼】

〘名〙 「からうす(唐臼)」の変化した語。
万葉(8C後)一六・三八一七「可流羽須(カルウス)田廬(たぶせ)もとにわが背子はにふぶに咲みて立ちませり見ゆ」

とう‐うす タウ‥【唐臼】

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デジタル大辞泉 「唐臼」の意味・読み・例文・類語

から‐うす【唐臼/×碓】

地面を掘って臼を据え、きね一端を足で踏んで穀類などをつく仕掛けのもの。ふみうす。
(「殻臼」とも書く)稲などのもみがらを落とすための農具上臼と下臼からなる。

とう‐うす〔タウ‐〕【唐臼】

うす

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旺文社日本史事典 三訂版 「唐臼」の解説

唐臼
からうす

江戸時代の脱穀具
「とううす」とも読む。すり臼系統の唐臼は,上臼に取り付けた遣木 (やりき) を数人で回し,籾 (もみ) がらをのぞいて玄米にする。寛永初年(16世紀前半)に中国からもたらされ,従来の木の臼より能率がよく,享保(1716〜36)ごろから普及。つき臼系統の唐臼もあり,これは臼の部分を地面にすえ,杵にあたる部分を足で踏み,脱穀する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「唐臼」の意味・わかりやすい解説

唐臼
からうす

てこの原理を応用した足踏み式の臼。臼と杵を取付けた棹木から成り,支点をはさんで棹木の一方の端を踏んで用いる。日本では平安時代文献にすでに現れているが,一般に普及したのは江戸時代になってからで,初め米屋などで米の精白に用いられていたものがのちに農家にも広まり,籾ずりなどにも用いられた。

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食器・調理器具がわかる辞典 「唐臼」の解説

からうす【唐臼/碓】

➀地面を掘ったところに臼を据え、杵(きね)の柄を足で踏み、てこの原理を応用して穀類などをつく仕掛けのもの。
➁磨(す)り臼の一種。上臼と下臼をすり合わせ、稲などのもみがらを落とすもの。

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世界大百科事典(旧版)内の唐臼の言及

【臼】より

…すでに平安時代ころから存在したようであるが,広く普及するのは大坂,江戸など都市部で精白が専業化した17世紀初めころである。中国からの輸入技術なので〈唐臼(からうす)〉と呼んだ。この場合の臼は,木製と石製とがあった。…

※「唐臼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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