ぜん‐ざい【善哉】
[1] 〘感動〙 ほめたたえる語。よきかな。よいかな。
※観智院本三宝絵(984)上「
天人来て
善哉善哉真に是菩薩と唱ふ」 〔春秋左伝‐宣公一一年〕
[2] 〘形動〙 よいと感じるさま。喜び祝うさま。
※
謡曲・輪蔵(1541頃)「善哉なれや、善哉なれと、夜遊を奏して舞ひ給ふ」
[3] 〘名〙
関東では、甘味の濃いアズキのつぶし餡
(あん)か漉
(こ)し餡に焼いた
餠を入れたものをいい、
関西では、つぶし餡の汁の多い、関東でいう
田舎汁粉をいう。ぜんざい
もち。
※尺素往来(1439‐64)「新年之善哉者是修正之祝著也」
※浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)長町「正月屋のぜんざいを、お前と気入らずに喰たいといふたが」
[語誌](1)((一)について) 漢訳仏典の中では、梵語 sādhu の意訳として用いられている。もと古代インドで議決の際賛意を表わす語。例え
ば、「法華経‐譬喩品」に「善哉善哉。如
二汝所
一レ言」とあるなど。
(2)((三)について) 語源については、新年の喜び(善哉)であるからという説、出雲大社で小豆を煮た汁に餠を入れて神に供えた「神在煮」「神在餠」が「ぜんざいもち」に転訛したとする説、これを初めて食べた一休禅師が「善哉此汁」と言ったことによるとする説など、諸説ある。
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ぜん‐ざい【善×哉】
《
が原義。梵sādhuの訳で、漢訳仏典に用いられる語》
[名]善哉餅のこと。関西ではつぶしあんの汁粉。関東では餅に濃いあんをかけたもの。
[形動ナリ]よいと感じるさま。喜び祝うさま。
「上人を礼し…―なれや、―なれと夜遊を奏して舞ひ給ふ」〈謡・輪蔵〉
[感]実によい、そのとおりである、の意で、相手をほめたたえる語。特に、師が弟子に賛成・賞賛などの意を表すときに用いる。よきかな。
「―、―、孝行切なる心を感ずるぞとて」〈謡・谷行〉
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出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
ぜんざい【善哉】
関東では餅(もち)に濃いあずきあんをかけたもの。関西ではつぶしあんで作った汁粉(関東の「田舎汁粉」に相当するもの)。◇関東の「ぜんざい」と同様のものを関西では「亀山(かめやま)」ということが多い。
出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報
善哉【ぜんざい】
焼餅(やきもち)の上にアズキ餡(あん)をかけた甘味食品。餅の代りに白玉だんご,アワ餅,クリなどを用いることもある。口直しにシソの実の塩漬などを添える。関西では田舎汁粉のことをいう。→汁粉
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【善哉】ぜんさい
よきかな。ほめる語。〔左伝、昭十六年〕孺子(じゅし)(若者)善き哉(かな)、吾(われ)
むこと
り。字通「善」の項目を見る。
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