喉頭の炎症で、経過から急性と慢性に大きく分けられる。どちらも嗄声(させい)(しわがれ声)が主症状であるが、急性喉頭炎ではのどの痛みや発熱を伴う。
[河村正三]
かぜ症候群の部分症状としておこることが多く、ウイルスや細菌感染により発症し、急性鼻炎や急性咽頭(いんとう)炎を合併していることが多い。声を過度に使用するといった物理的刺激、スモッグといった化学的刺激でおこることもある。急性喉頭炎の大部分は安静と沈黙(声の静養)、適切な抗生剤使用などにより1週間くらいで治癒し、声は元の状態に戻る。ときにはもっと急激な症状をおこすものがある。急性声門下喉頭炎(仮性クループ)は5歳以下の乳幼児におこり、発症は急激で呼吸困難、イヌの遠ぼえのような喘鳴(ぜんめい)があるが、全身症状は軽度である。同じような症状があり、しかも発熱などの症状の強いものに急性喉頭気管支炎がある。急性喉頭蓋(がい)炎は幼児や老人に多く、高度の細菌感染で疼痛(とうつう)が強く、発熱も高度で呼吸困難もみられ、幼児では急死することもある危険な疾患である。
[河村正三]
しわがれ声が主症状で、軽い咳(せき)、のどの乾燥感や不快感を伴うことが多い。喫煙、スモッグ、声の酷使などによる刺激が長期間続いたことに起因することが多い。大部分の例では声帯の腫脹(しゅちょう)や浮腫などを認めるのみであるが、ときには結節やポリープを生じてくることもある。このような場合には手術的切除が必要なことが多い。老人では粘膜が萎縮(いしゅく)してくる型のものもある。慢性喉頭炎と症状が似ているものに喉頭癌(がん)の初期の例があるので、2週間以上もしわがれ声が続くときには専門医による精密検査を受けたほうがよい。慢性喉頭炎の治療でもっとも重要なことは、原因となっている刺激の除去である。
[河村正三]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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