営む(読み)イトナム

デジタル大辞泉 「営む」の意味・読み・例文・類語

いとな・む【営む】

[動マ五(四)]形容詞「いとなし」の動詞化
忙しく物事をする。怠ることなく励む。「社会生活を―・む」
生活のための仕事をする。経営する。「旅館を―・む」
神事仏事などを行う。「法要を―・む」
準備する。用意する。
「食ひ物、下人どもにも―・ませず、夫婦手づから自らして召させけり」〈宇治拾遺・一五〉
[可能]いとなめる
[類語]行う為る遣る尊敬されるなさる遊ばす謙譲致すつかまつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「営む」の意味・読み・例文・類語

いとな・む【営】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙 ( 形容詞「いとなし」の語幹の動詞化したもの )
  2. 忙しく物事をする。あれこれ整えて、怠ることなく物事に務める。「いとなみおもう」「いとなみかしずく」「いとなみたつ」などと熟して用いられることが多い。
    1. [初出の実例]「猟師は通夜覔而(イトナミて)」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
  3. 生活のために仕事をする。経営する。
    1. [初出の実例]「俗に即きて家を収め、産業(なりわい)を営(イトナミ)造る。〈真福寺本訓釈 営造 意東那三〉」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
  4. 作り整える。また、物事の準備をする。
    1. [初出の実例]「其に力を戮(あは)せて、心を一にして天下を経営(イトナム)(〈別訓〉ツクル)」(出典:古語拾遺(亮順本訓)(807))
    2. 「入内せんとて、院にも申つついとなませける程に」(出典:愚管抄(1220)六)
  5. 神事、仏事を行なう。
    1. [初出の実例]「おりおりの御仏事営(イトナミ)給ふぞ」(出典:高野本平家(13C前)灌頂)

いさ・む【営】

  1. 〘 他動詞 マ行四段活用 〙いとなむ(営)
    1. [初出の実例]「何によてか遽(すみ)陵墓を営(イサム)(〈別訓〉イトナマム)」(出典:猿投本文選正安四年点(1302))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android