四ッ塚古墳群(読み)よつづかこふんぐん

日本歴史地名大系 「四ッ塚古墳群」の解説

四ッ塚古墳群
よつづかこふんぐん

[現在地名]一宮町国分

かね川扇状地の左岸扇央部の北西緩斜面上、標高三五〇メートル前後に分布する古墳群。過去の分布調査によって三〇基程度の古墳が確認されていたが、昭和五六年(一九八一)中央自動車道建設に先立って二二基が発掘調査された。墳丘大半が破壊され、天井石なども原位置をとどめるものは皆無であった。主体部も上半部が破壊されている例が多数を占め、保存状態は良好ではなかった。古墳はすべて円墳と考えられ、規模は直径二〇メートルを超えるものはみられず、一二メートル前後のものが最も多く、六メートルほどの小型墳も確認されている。


四つ塚古墳群
よつづかこふんぐん

[現在地名]八束村上長田

国指定史跡蒜山ひるぜん原の新期扇状地の末端にある古墳群で、名称はなだらかに起伏する平原高みに位置する四基の古墳から付けられているが、古墳群は一六基の円墳から構成されている。径約二四メートルの一号墳は六世紀前半の古墳で、横穴式石室が開口しており矛・鏃・馬具類・鋤・斧などの鉄器須恵器などの遺物が出土している。北方の高みにあり、径約一九メートルの一三号墳は発掘調査されて詳細が明らかにされている。それによると墳丘を取巻いて幅約六メートル内外の周湟があり、北東方向に先端の大きく開いた小さい前方部が設けられていた。墳端には壺形埴輪円筒埴輪による埴輪列が設置されていたほか、北側のくびれ部付近から馬・鶏・人物などの形象埴輪が発見されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「四ッ塚古墳群」の解説

よつづかこふんぐん【四ツ塚古墳群】


岡山県真庭市蒜山上長にある古墳群。蒜山(ひるぜん)高原の東寄り、上長田にある古墳群。おもに古墳時代後期(6世紀中ごろ)のものと推定される。もとは大小19基あったが、現存しているのは16基である。名前の由来は、特別に大きい円墳4基が一列に並んでいたことによる。1929年(昭和4)に、このうちの4基、1~4号墳が国の史跡に指定された。発掘調査が行われ、1号墳は径24mで北に開口した片袖式の横穴式石室をもち、石室の天井や壁面には朱が塗られ、底部に石や木炭を敷き、水抜きの装置がつくられていたことが判明した。副葬品は玉類、鉄製品、須恵器(すえき)類など100点以上が見つかった。これらの出土品は東京国立博物館が収蔵している。13号墳の発掘調査では、鶏や家の形をした埴輪(はにわ)、馬具が数多く出土した。これらは蒜山郷土博物館で保管・展示している。現存する16基を中心として、四ツ塚史跡公園として整備されている。米子自動車道蒜山ICから車で約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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