固体プラズマ(読み)こたいプラズマ(英語表記)solid-state plasma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「固体プラズマ」の意味・わかりやすい解説

固体プラズマ
こたいプラズマ
solid-state plasma

正の荷電粒子と負の荷電粒子が,ほぼ同じ密度で共存する物質の状態を一般にプラズマといい,固体物質内のこのような荷電粒子の集りを,狭い意味でのプラズマ (電離気体) と区別して固体プラズマという。金属では電子イオンで,半導体では電子と正孔でプラズマを構成している。固体プラズマの特徴は,室温またはそれ以下でも存在し,気体プラズマに比べて非常に電子密度が大きいことである。プラズマ中の荷電粒子が運動すると,空間電荷や電流を生じ,電場と磁場ができる。荷電粒子はこの電場と磁場から力を受け,プラズマ全体としての集団運動を起す。プラズマ振動アルベーン波ヘリコン波ピンチ効果,ヘリカル不安定性などのプラズマ特有の現象が,固体プラズマにおいても観測されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android