国土交通省に附属している合議制の機関(国家行政組織法8条および国土交通省設置法6条)。2001年(平成13)に実施された中央省庁再編により、当時、国土庁に設置されていた国土審議会・水資源開発審議会・土地政策審議会・土地鑑定委員会および、北海道開発庁に設置されていた北海道開発審議会が再編され、国土交通省に設置された(ただし、土地鑑定委員会が処理していた事務については、不動産の鑑定評価に関する重要事項の調査審議に係る事務のみを引き継いだ)。その委員は、衆議院議員(6名)、参議院議員(4名)および学識経験者(20名以内)で構成され(国土交通省設置法8条1項)、任期は3年(同条2項)である。専門的な調査審議を弾力的・機動的に行うために下部機関として、分科会(土地政策分科会、北海道開発分科会、水資源開発分科会、豪雪地帯対策分科会)および部会(計画推進部会や不動産鑑定評価部会など)が設置されている(国土審議会令2条・3条)。
所掌事務は、国土の利用、開発および保全に関する総合的・基本的な政策について調査審議すること(国土交通省設置法7条1号)および、国土形成計画法、国土利用計画法、首都圏整備法、首都圏近郊緑地保全法、近畿圏整備法、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律、近畿圏の保全区域の整備に関する法律、中部圏開発整備法、中部圏の都市整備区域、都市開発区域及び保全区域の整備等に関する法律、北海道開発法、土地基本法、地価公示法、国土調査法、国土調査促進特別措置法、水資源開発促進法、低開発地域工業開発促進法、豪雪地帯対策特別措置法の規定に基づいて授権された事項を処理することである(同法7条2号)。これらの法律によって授権された事項の多くは、基本的な政策や計画策定などに関して、諮問を受けて調査審議し意見や勧告を行うことであるが、諮問を受けることなく意見などを提出できる権限が付与されている場合もある(国土形成計画法4条、北海道開発法4条1項、国土調査法12条2項など)。以上のような基本的な政策等を審議・提言する権限に加え、都道府県知事が指示された措置を正当な理由なく講じない場合、国土交通大臣はこれを自らの事務として行うことができるが、この正当な理由の有無を確認する権限も付与されている(国土利用計画法13条2項)。このほか、離島振興法、山村振興法、半島振興法、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法に基づく授権された事項も処理するが、これらは限時法であり、それぞれの法律が定める終期までの期限つきである。
[山田健吾 2018年8月21日]
…以下〈国総法〉という)が制定され,それに基づいて設置された国土総合開発審議会(略称,国総審。1979年以後,首都圏整備審議会,近畿圏整備審議会等と統合して国土審議会となる)の意見を聞きながら特定地域総合開発計画(1951地域指定),全国総合開発計画(1962,全総),新全国総合開発計画(1969,新全総),第3次全国総合開発計画(1977,三全総),第4次全国総合開発計画(1987,四全総),第5次全国総合開発計画(1998,五全総)などが,閣議決定されてきた。 国土総合開発計画が国民経済で果たす役割としては,第1に,その計画が掲げる目的に向けて,土地や水の利用,労働力の活用,財政投資のあり方を総合的に調整し進めていくことがあげられる。…
※「国土審議会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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