和歌索引書。正続各2冊、ともに歌集部と索引部からなる。編者は正篇(へん)は松下大三郎、渡辺文雄、続篇は松下大三郎。監修者は木村正辞(まさこと)、落合直文(なおぶみ)ら5人。正篇は1901~1903年(明治34~36・教文館)、続篇は1925~1926年(大正14~15・紀元社)に刊行。のち正続とも1931年(昭和6・中文館)、1951年(昭和26・角川書店)に刊行。歌集部は正に二十一代集、『万葉集』、『新葉和歌集』、歴史歌集、日記草子歌集、物語歌集の53種、続に六家集、歌仙歌集、諸歌集、私撰(しせん)集、歌合(うたあわせ)の113種を収録し、各歌頭に番号を付す。索引部は、正は各句に分解、続は初句と第四句のみだが、それぞれ五十音順に配列し、その下に書名、歌集名と歌番号を付す。したがって和歌の一部から、一首全体、作者、出典などを検索するのにきわめて便利で、規模の大きさとも相まって、国文学研究を画期的に進歩させるうえで果たした役割は高く評価される。
なお、『新編国歌大観』10巻(全20冊)が1983~1992年(昭和58~平成4)角川書店から刊行されている。第1巻勅撰集編(1983。以下毎年1巻)、第2巻私撰集編、第3巻私家集編Ⅰ、第4巻私家集編Ⅱ、定数歌編、第5巻歌合編、歌学書・物語・日記等収録歌編、第6巻私撰集編Ⅱ、第7巻私家集編Ⅲ、第8巻私家集編Ⅳ、第9巻私家集編Ⅴ、第10巻定数歌編Ⅱ、歌合編Ⅱ、補遺編からなる。とくに第2巻以降は新収録作品をきわめて大量に加えて従来の面目を一新している。
[橋本達雄 2019年2月18日]
和歌索引。(1)1901年より松下大三郎・渡辺文雄の編で正編が,25年より松下の編で続編が刊行された。おのおの歌集部と索引部から成る。正編に《万葉集》,二十一代集など,続編は六家集,《三十六人集》などを収める。所収の歌のすべてに番号を付し,正編では5・7・5・7・7のおのおのの句を,続編では上句下句を五十音順に配し,検索できるようにした。番号は以降の出版物に襲用され,国文国語の研究に画期的な寄与をした。このような総合的索引は近世の《古今類句》などの継承であるが,容易に利用できる点でははるかに優れている。(2)83年からは,編集委員会制による全5巻10冊(各巻とも歌集部1冊,索引部1冊)の《新編国歌大観》が刊行され,〈堀河百首〉などの定数歌や,歌合,物語・日記などの歌も収録されて,歌数は旧《国歌大観》の約3倍に当たる。索引はすべて各句索引で,歌番号も付されており,国文国語研究の基礎資料として一層重厚なものになった。
執筆者:奥村 恒哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
和歌索引。正編「国歌大観」は松下大三郎・渡辺文雄編,1903年(明治36)刊。続編は松下大三郎編,26年(昭和元)刊。正続ともに歌集部・索引部の2分冊。「万葉集」「源氏物語」などの代表的な歌集や物語の歌を収め,歌のどの1句からでも1首全体・作者・出典などが検索できる。類句を知るためにも便利で,和歌研究の基本的文献。なお「新編国歌大観」全10巻が83年同編集委員会編で角川書店から刊行され,92年(平成4)に完結。各巻とも歌集編・索引編の2分冊。第2巻以降の内容は新収録作品を拡充し,従来のものを一新した内容となっている。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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