日本の風景を代表する国立公園や国定公園の景勝地内に一般財団法人国民休暇村協会が、宿泊施設を中心として各種の保健保養施設を集合整備した地域をいう。1961年(昭和36)の協会設立以来、「低廉な料金で休暇村の施設を利用することにより、健康で明るい国民生活の増進に寄与すること」を目的として、2019年(令和1)までに37か所が開村している。国民休暇村に泊る場合は、食事は食堂でとり、芸妓(げいぎ)をよぶことはできないなど宿泊のルールは国民宿舎と同じだが、その特徴としては、海岸や高原の眺めに恵まれた地域に位置し、宿舎を中心に数十ヘクタールから数百ヘクタールにも及ぶ広大な面積が休暇村の区域という点があげられる。これらの区域には各休暇村の立地条件に応じてプール、海水浴場、ボートやヨットなどの遊船施設、スキー場、児童遊園地、ゴルフ練習場、テニスコート、オリエンテーリングコース、自然遊歩道、カート(ゴーカート)場、サイクリング施設などが完備しており、家族ぐるみ健全な休暇を楽しむことができる。特典つきの「Q会員」制度があり、ポイントを貯めると次回以降の利用時に宿泊料金が割引になるなどのサービスがある。
[沢 史生]
『国民休暇村協会30周年実行委員会編『財団法人国民休暇村協会創立30周年記念誌』(1991・国民休暇村協会)』▽『『自然派のための国民休暇村』(1995・学習研究社)』▽『旅行図書グループ編『国民宿舎と休暇村』(1999・山と渓谷社)』▽『国土交通省編『観光白書』各年版(財務省印刷局)』
国立公園や国定公園内の自然環境の優れた休養適地に,各種の野外活動施設を総合的に整備した公的なレクリエーション基地。国民宿舎と同じく環境庁(当初は厚生省)の指導のもとに設置・運営されているが,宿舎のほかにスキー場,キャンプ場,海水浴場,テニスコート,プール,運動場などの各種レクリエーション施設を併設しているのが国民宿舎と異なる。このうち,キャンプ場,海水浴場,運動場などの公共施設は,国または地方公共団体が整備し,宿舎,ロッジ,スキーリフトなどの有料施設は,財団法人国民休暇村協会(現,休暇村協会)が建設し運営にあたっている。国民休暇村の建設資金は厚生年金,国民年金の融資と,日本小型自動車振興会および日本宝くじ協会の助成をうけている。1961年度から建設が始められ,2008年7月現在,全国36ヵ所に設置。
執筆者:内藤 錦樹
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