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国際リニアコライダー コクサイリニアコライダー

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デジタル大辞泉の解説

こくさい‐リニアコライダー【国際リニアコライダー】

ヨーロッパ・アジア・北米各国の国際協力による、世界最大級の電子陽電子衝突型線形加速器の開発計画。地下につくられた約40キロメートルの直線トンネルの中に加速器を構築し、高速に加速した電子と陽電子を互いに衝突させ、ビッグバン直後(約1兆分の1秒)に匹敵する高エネルギー状態を再現することを目的とする。超対称性理論の検証、暗黒物質の同定、初期宇宙の解明などが期待される。日本では高エネルギー加速器研究機構KEK)を中心に同加速器の日本誘致を進めている。ILC(International Linear Collider)。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際リニアコライダー
こくさいりにあこらいだー
International Linear Collider

国際的な協力で建設計画が進められている次世代素粒子加速器。略称はILC。リニアコライダーは直線型(線型)の衝突加速器である。ヒッグス粒子の発見などで有名になったCERN(セルン)(ヨーロッパ原子核研究機構)のLHC(Large Hadron Collider:大型ハドロン衝突型加速器)の後継として素粒子研究者たちが協力して開発しつつある(2013年6月現在)。その特徴は総延長30キロメートルにも及ぶ長い線形加速器であることと、電子・陽電子対の衝突実験を行うことである。CERNのLHCは円形加速器であるため、円形の軌道上(全周27キロメートル)を陽子が光の速度付近で運動するとシンクロトロン放射により粒子のエネルギーが散逸してしまい、粒子のエネルギーを増加させることがむずかしい。国際リニアコライダーでは、地下の全長30キロメートルの直線トンネル内に片側15キロメートルずつの2本の加速器を直線的に配置して、円運動の際にあったシンクロトロン放射からの粒子のエネルギー散逸を避けることができる。またCERNのLHCではクォークの複合粒子(ハドロン)である陽子対の衝突を使っているため、衝突後の反応が複雑で解析が困難である。これに対して、ILCではクォークと同じレベル(レプトン)での電子・陽電子対の衝突を使うので、衝突後の反応がシンプルで解析が比較的容易だという利点がある。ILCはヒッグス粒子の詳細な研究から始まり、標準理論を超える理論の探索、暗黒物質の正体解明、暗黒エネルギーの探索など従来の素粒子物理の先をねらっている。
 2000年代から本格的に国際的な検討が始められたが、膨大な建設費の問題もあり、技術的および財政的な検討が続いている。日本の高エネルギー加速器研究機構(KEK)が中心になり誘致を進め、立地の候補地として北上山地(岩手・宮城県)と脊振(せふり)山地(福岡・佐賀県)があがり、注目されている。2013年2月にはILCとコンパクト・リニアコライダー(CLIC:Compact Linear Collider)の研究グループが一つの組織に統合され、リニアコライダー・コラボレーション(LCC:Linear Collider Collaboration)が発足した。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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