土竜(読み)モグラ

デジタル大辞泉 「土竜」の意味・読み・例文・類語

もぐら【土竜/鼹鼠】

モグラ科の哺乳類体長約15センチで尾は短い。毛は黒褐色のビロード状。地中にすみ、目は退化している。前足は大きくシャベル状で、地表近くをトンネルを掘って進み、ミミズなどを食べる。本州四国・九州などに分布し、アズマモグラともいう。田鼠でんそ。もぐらもち。むぐら。うぐら。うごろもち。
食虫目モグラ科モグラ亜科の哺乳類の総称コウベモグラなども含まれる。広くはモグラ科を総称し、ヒミズなども含まれる。

ど‐りゅう【土竜】

地上の竜ともいうべき名馬竜馬りゅうめ
モグラ別名

むぐら【土竜】

モグラの別名。

むぐら‐もち【土竜】

モグラの別名。

もぐら‐もち【土竜/鼹鼠】

モグラの別名。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「土竜」の意味・読み・例文・類語

もぐら‐もち【鼹鼠・土龍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. もぐら(鼹鼠)
    1. [初出の実例]「もくらもちをみるやふにと、あっちへころころ、こっちへごろごろしているはへ」(出典:洒落本・客衆肝照子(1786))
  3. 人をののしっていう語。
    1. [初出の実例]「イヤハヤ噺せねへ土龍(モグラモチ)だぞ」(出典人情本・柳之横櫛(1853頃)三)

土竜の補助注記

民衆の語源意識によって、動詞「もぐる(潜)」との類推でムグラモチから変化した語か。もともと方言あるいは俗語と意識されていたようである。


もぐら【鼹鼠・土龍】

  1. 〘 名詞 〙 モグラ科の哺乳類の総称。体長約一〇~二〇センチメートル。地中生活に適応して体は円筒状、吻(ふん)が長くとがる。手は大きくシャベル状をなし、五本の頑丈なつめを備える。耳介はなく、目は皮下に埋まる。体毛はビロード状で、暗褐色ないし黒褐色。平地や低山の地下にトンネルを掘ってすみ、主に夜間活動してミミズや昆虫などを食べる。植物は食べないが土を掘るので農作物芝生に害を与える。ユーラシアと北アメリカに約一七属三二種が分布し、日本では、本州以南の各地にアズマモグラ・サドモグラ・コウベモグラなどが生息する。もぐらもち。むぐろもち。むぐらもち。むぐら。うぐらもち。うぐら。うごろもち。うぐろもち。田鼠(でんそ)。《 季語・夏 》 〔物類称呼(1775)〕

むぐら‐もち【鼹鼠・土龍】

  1. 〘 名詞 〙もぐら(鼹鼠)」の異名。〔日葡辞書(1603‐04)〕

土竜の語誌

ムグロモチが変化した語か。近世にはモグラをあらわす語としてはウグロモチが一般語であった。ムグラモチは、もともと江戸語で、近世前期には田舎のことばと意識されていたが、近世中期に文化の中心が上方から江戸に移ったことに伴いウグロモチにかわって用いられるようになった。


むぐろ‐もち【鼹鼠・土龍】

  1. 〘 名詞 〙もぐら(鼹鼠)」の異名。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「辺二段の池水はよき〈探泉〉 むぐろもち行あとあかす秋の月〈松斉〉」(出典:俳諧・俳林一字幽蘭集(1692)下)

むぐら【鼹鼠・土龍】

  1. 〘 名詞 〙もぐら(鼹鼠)〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「土竜」の解説

土竜 (モグラ)

動物。モグラ科に属する動物の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android