地方志(読み)ちほうし(英語表記)Dì fāng zhì

世界大百科事典 第2版「地方志」の解説

ちほうし【地方志 Dì fāng zhì】

や県など一地域を単位とした中国の総合的地理書。中国全体の地理書を総志と呼ぶのに対する。後漢時代以降,簡単な地図を伴った郡や国の地理的叙述,〈図経(ずけい)〉が作られ,また特定地方の山川,風俗,古跡などを記載した〈風俗伝〉や〈風土記〉と呼ばれる地理書が出現した。いずれも地方志原型といえる。の江徴の《陳留風俗伝》,周処の《陽羨(ようせん)風土記》などが現存する。4世紀,北方の異民族に追われ,漢民族が新天地の江南にうつると,その地方を対象とした《某々郡志》《某々州記》といった地方史が増加する。

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世界大百科事典内の地方志の言及

【郷紳】より

…族譜・宗譜の盛んな刊行もこれと無縁ではない。また,明後半期からとりわけおびただしく出版された,省・府・県・鎮・村などの各レベルの地方志も,官撰,私撰のいかんを問わず,郷紳・紳士が周辺の読書人を動員して編纂したものであり,彼らがこの時代の地方文化の指導者であったことを示している。なお,アヘン戦争後,外国の商品や資本が流入するに際して,地主的土地所有を基盤に商人・高利貸としての活動を行っていた郷紳・紳士層が海港と各地方との仲介者として重要な役割を果たし,いわゆる半植民地・半封建社会を支えたことも忘れられてはならない。…

※「地方志」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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