堀部安兵衛(読み)ホリベヤスベエ

精選版 日本国語大辞典 「堀部安兵衛」の意味・読み・例文・類語

ほりべ‐やすべえ【堀部安兵衛】

  1. 江戸中期の武士。もと中山氏。名は武庸。のち堀部彌兵衛金丸の養子となる。高田馬場の仇討や吉良邸討入りの赤穂浪士の一人として知られる。寛文一〇~元祿一六年(一六七〇‐一七〇三

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改訂新版 世界大百科事典 「堀部安兵衛」の意味・わかりやすい解説

堀部安兵衛 (ほりべやすべえ)
生没年:1670-1703(寛文10-元禄16)

赤穂浪士の一人。名は武庸(たけつね),安兵衛は通称。実父中山弥次衛門は越後新発田の溝口家に仕えていたが浪人。父の死後,武庸は江戸に出,舅菅野六左衛門が高田馬場で決闘したのを助け,仇数人を斬って中山安兵衛の勇名があがった。赤穂浅野家の家臣堀部弥兵衛金丸の養子となり,赤穂事件では高田郡兵衛奥田孫太夫とともに江戸の急進派として知られる。大石良雄らとの往復書簡を編集して残した《堀部武庸筆記》は,浪士らの考え方や事件の経緯を正確に示す,赤穂事件の最も重要な史料である。
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百科事典マイペディア 「堀部安兵衛」の意味・わかりやすい解説

堀部安兵衛【ほりべやすべえ】

赤穂浪士の一人。名は武庸(たけつね)。実父中山弥次衛門は越後(えちご)新発田(しばた)藩溝口家に仕えていたが浪人となる。父の死後江戸に出て儒学や剣を学ぶうち,伯父・甥(おい)の義盟を結んだ菅野六左衛門が高田馬場(たかだのばば)で決闘したのを助太刀して勇名をあげ,望まれて赤穂藩士堀部弥兵衛の養子となった。藩主浅野長矩の死後,高田郡兵衛,奥田孫太夫らと江戸急進派の中心となり,1702年吉良邸討入りに参加し,翌年伊予(いよ)松山藩主松平家江戸屋敷で切腹大石良雄らとの書簡などを編集した《堀部武庸筆記》は赤穂事件の貴重な史料である。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「堀部安兵衛」の解説

堀部安兵衛 ほりべ-やすべえ

1670-1703 江戸時代前期の武士。
寛文10年生まれ。赤穂(あこう)四十七士のひとり。越後(えちご)(新潟県)新発田(しばた)藩士の子。江戸で寄宿先の菅野六郎左衛門の高田馬場での決闘に助太刀して勇名をはせ,播磨(はりま)(兵庫県)赤穂藩士堀部弥兵衛の婿養子となる。吉良義央(きら-よしなか)邸討ち入りにくわわり,元禄(げんろく)16年2月4日松平邸で切腹。34歳。大石良雄らとの往復書簡をまとめた「堀部武庸(たけつね)筆記」がのこる。本姓は中山。名は武庸。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「堀部安兵衛」の意味・わかりやすい解説

堀部安兵衛
ほりべやすべえ

[生]寛文10(1670).越後
[没]元禄16(1703).2.4. 江戸
江戸時代中期の赤穂藩の馬廻,使番。赤穂義士の一人。本姓,中山。名は武庸 (たけやす) 。舅菅野六左衛門を高田馬場の決闘で助け,名をあげた。のち赤穂藩士堀部弥兵衛の養子となり,藩主浅野長矩の死後,大石良雄の同志として吉良家討入りに参加。 (→赤穂事件 )

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世界大百科事典(旧版)内の堀部安兵衛の言及

【忠臣蔵映画】より

…以後,東映,松竹,大映,東宝によるオールスター大作がつづき,78年には東映作品《赤穂城断絶》が,深作欣二監督,萬屋錦之介の大石内蔵助でつくられた。これらのほか,赤穂義士外伝ものは枚挙にいとまがないほどで,とりわけ堀部安兵衛を主人公にした作品が数多い。 また,変格ものとして,《忍術忠臣蔵》(1937),《女忠臣蔵》(1940),《浪曲忠臣蔵》(1943),《珍説忠臣蔵》(1953),《忍法忠臣蔵》(1965)などがあり,〈忠臣蔵〉を他の世界に置き換えた応用作品として,《俠客忠臣蔵》(1932),《学生忠臣蔵》(1933),《ジャズ忠臣蔵》(1937),《サラリーマン忠臣蔵》(1960),《長脇差忠臣蔵》(1962),《ギャング忠臣蔵》(1963),《わんわん忠臣蔵》(1963,動画)などがある。…

※「堀部安兵衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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