(読み)ケン

デジタル大辞泉 「堅」の意味・読み・例文・類語

けん【堅】[漢字項目]

常用漢字] [音]ケン(呉)(漢) [訓]かたい
引き締まってかたい。「堅固堅甲堅牢けんろう
しっかりしている。「堅持堅実堅忍中堅
[名のり]かき・かた・かたし・すえ・たか・つよし・み
難読堅魚かつお

けん【堅】

かたくてしっかりしていること。
よろいかぶと。甲冑かっちゅう

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精選版 日本国語大辞典 「堅」の意味・読み・例文・類語

かたみ【堅】

  1. 〘 名詞 〙 身をかたくすること。言動のかたくるしいこと。
    1. [初出の実例]「我はやはらぎたる所にかたみあらんをと」(出典:俳諧・本朝文選(1706)七・歌類・落柿先生挽歌〈支考〉)
    2. 「今此安楽なたのしみするも貴殿のおかげ、昔のよしみは忘れぬ忘れぬ。堅みをやめて砕(くだけ)おれ砕おれ」(出典浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)七)

けん【堅】

  1. 〘 名詞 〙
  2. かたいこと。また、かたいもの。
    1. [初出の実例]「堅は地、湿は水、煙は火、動は風なり」(出典:十善法語(1775)九)
    2. [その他の文献]〔漢書‐食貨志上〕
  3. よろいかぶと。甲冑。堅甲。

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普及版 字通 「堅」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] ケン
[字訓] かたい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(けん)。〔説文〕三下に「土剛(かた)きなり」とあり、堅い土をいう。剛は鋳型の笵を割く意。岡は鋳型に火を加えた形。高熱を加えるので、その型を割くのに刃器を用いた。堅もそのような堅い土で、堅固の意。それより堅強・堅甲・堅城・堅忍のように用いる。

[訓義]
1. かたい土、かたい。
2. つよい、しっかりした。
3. まさる、心に定める。

[古辞書の訓]
名義抄〕堅 カタシ 〔字鏡集〕堅 カタシ・コハシ

[声系]
堅を声とするものに鏗があり、「鏗鏘(こうそう)」は鐘声をいう。〔礼記、楽記〕に「聲は鏗なり」とみえるが、古い字書にその字を収めていない。〔説文〕字条十二上に「頭を擣(う)つなり」とし、「讀みて論語(先進)、鏗爾(かうじ)として琴を舍(お)きて作(た)つの(ごと)くす」とあり、がその字のようである。

[語系]
堅kyen、緊kien、khenはみな声の字。は臣(目)に(ゆう)(手)を加えて眼睛を破り、神の臣隷とする意の字。その緊張の状態より、堅緊の意を生ずる。

[熟語]
堅囲・堅営・堅鋭・堅介堅確・堅革・堅・堅額堅頑・堅毅・堅久堅拠堅彊・堅強堅凝・堅緊・堅苦堅勁・堅決・堅固・堅厚・堅硬・堅甲・堅剛・堅坐・堅砦・堅材・堅持・堅実堅守・堅柔堅竣・堅勝・堅城・堅心・堅刃堅陳・堅正・堅請・堅・堅戦堅塞・堅対・堅耐・堅卓堅緻・堅致・堅貞・堅敵・堅忍・堅縛・堅白・堅氷堅附・堅壁堅甓堅牡・堅密・堅約・堅利・堅良・堅塁・堅・堅牢
[下接語]
完堅・強堅・攻堅・剛堅・実堅・中堅・貞堅・被堅・冒堅・牢堅

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