声帯結節(読み)せいたいけっせつ(英語表記)vocal cord nodule

世界大百科事典 第2版の解説

せいたいけっせつ【声帯結節 vocal cord nodule】

発声時に振動の最も大きい声帯の前1/3の部位に,多くの場合両側性に生ずる小さい結節様の隆起を一般に声帯結節という。別名謡人結節あるいは歌手結節などといわれるように,声を過度に使う職業の者によくみられる。表面の色調は周囲の正常粘膜のものとほとんど変わらないことが多く,通常は声帯ポリープとは肉眼所見からも区別される。また,幼児あるいは学童で声を乱用する場合にもみられ,これらは学童嗄声(させい)あるいは小児結節と総称されることがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

声帯結節
せいたいけっせつ

慢性喉頭(こうとう)炎の一つで、声帯の前3分の1と残りの3分の2との境界部分が肥厚し、結節状に隆起する。両側の声帯にほぼ対称性にできることが多い。声を過度に使用する職業の人、とくに歌手にできやすいことから歌手結節とか謡人(ようじん)結節ということがある。そのほか、教師、アナウンサー、牧師、僧侶(そうりょ)などにも多くみられる。小児も大きな声を出して遊ぶのでできやすく、小児結節ともいう。原因でもっとも重大な因子は、声の過度な使用や間違った使い方、すなわち無理な発声をしたり、力を入れすぎたりすることである。過度の咳(せき)や咳払い、過度の飲酒や喫煙も誘因になる。おもな症状は嗄声(させい)(かれ声)である。初期には、ある高さの発声や過度に発声したときのみに声がかれるとか、長時間声を出していられない、のどが渇いていがいがした異物感があるなどの訴えが多い。かれ声はしだいにひどくなり、咳や咳払いを伴うようになる。
 治療でもっとも重要なことは、声帯の安静である。歌手の場合は絶対的な沈黙を続けるため、入院して会話を避けることも行われる。初期の場合は声帯の安静と消炎剤の喉頭噴霧療法で治癒する。これで改善されない場合は、顕微鏡下の手術的切除を行う。再発を予防するためにも、声の過度な使用や間違った使い方を避け、発声方法を正す必要がある。[河村正三]

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世界大百科事典内の声帯結節の言及

【声帯】より

…一方,気道系という観点からは,上気道,下気道の中で,声帯に挟まれた声門という部位はもっとも狭いところであるが,吸息時には声帯は外転し,声門抵抗を小さくして効率よく空気を下気道へ送り込む役割を担っている。
[声帯の病気]
 声帯をおかす病気としては,喉頭癌や声帯炎,あるいは声帯結節声帯ポリープといった腫瘤形成を主とした病気などのほかに,声帯を動かす神経の麻痺の一つである反回神経麻痺などがあげられる。これらの病気では,上述した声帯の諸機能が種々の程度で欠落ないし損傷されるので診断の助けとなる。…

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