夏の暑い日に乳児にみられる発熱。気温が30℃をこえる暑い日が続くと乳児ことに6ヵ月以内の幼弱な乳児が突然38~39℃の高熱を出すことがある。臨床症状や検査結果からも発熱の原因となるような異常所見はみられず,冷房のきいた涼しい場所に移したり,身体を冷やしたり,水分を十分に補給することなどで簡単に解熱する。このような夏の暑さによって起こる発熱を夏季熱と呼んでいる。原因は,高温環境のため発汗が多くなり,また不感蒸散(汗以外に体から蒸発する水分)が増加して,脱水状態におちいり,熱放散が妨げられて,鬱熱(うつねつ)を起こすものと考えられている。一般に発熱は午後のほうが高くなるのが普通であるが,夏季熱の場合は午前中から高熱があるのが特徴である。クーラーの普及した最近では少なくなったが,親の不注意,事故などで高温環境におかれた乳児がこの状態になることがある。
執筆者:藪田 敬次郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
夏季に乳児にみられる高体温で、午前中発熱し午後には解熱することが多い。乳児は体温調節の機能が未熟であり、水分の摂取が不足して発汗が十分に行われず、体温が低下しないときにみられる。夜間の温度が高く、アパート住いなどで密閉している家庭の乳児に多い。ひどくなると意識障害、嘔吐(おうと)、頭痛などがみられることもある。治療は、体を冷やし、水分を十分に補給することである。部屋を開放して風通しをよくするか、冷房すれば、解熱し症状も消失する。
[坂上正道]
…乳児にみられる発熱で,ほかにはっきりした症状がなく,数時間から1日くらいで下がるものをいうが,医学的な用語ではなく,このような病気があるわけではない。実際には,ウイルス感染による上気道炎や,暑い季節に脱水状態をおこして発熱するいわゆる夏季熱などのことが多い。乳児に発熱をみたときは,咳,鼻水などほかの症状がないか,着せすぎていないか,きげんや食欲はどうかなどをよく観察し,水分を十分に与えて,なお熱が続く場合は医師の診察を受ける必要がある。…
※「夏季熱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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