通常ではほとんど変化を生じない程度の刺激に対しても、比較的強い滲出性の反応をおこしやすい体質。現在では、虚弱やアレルギーなどのさまざまな体の傾向を、医学的に「~体質」としてひとくくりに診断したり表現することはなく、滲出性体質ということばが用いられることはなくなった。かつて滲出性体質といっていた症状には、湿疹(しっしん)などの皮膚所見、鼻・咽頭(いんとう)などの粘膜の炎症、アンギーナなどのリンパ節腫大(しゅだい)などがあり、これらは小児に多くみられるものである。
疾患の原因には数多くの因子があげられているが、一般的には外的因子(外因)と内的因子(内因)とに分けて考えられている。外的因子には物理的あるいは化学的因子などの無生物による病因と、ウイルス、リケッチア、細菌、真菌、寄生虫などの生物による病因とが区別されている。一方、同じような外的因子を受けた生体でも、あるものは疾病(疾病にも軽症と重症の場合がある)となり、また、あるものはなんの変化もおこさない。この原因としては生体の内的因子の存在が考えられ、疾患の成立には外的因子と内的因子という両者の関与が重要であると理解されている。内的因子としては通常、疾病素因、遺伝、アレルギー、免疫などがあげられる。疾病にかかりやすい性状を意味する疾病素因には、一般的なものと個人的なものとがあり、体質という用語は漠然とした言い方ではあるが、個人それぞれの形態的、機能的、および精神的なすべての性質を総括した意味をもって使われる。
[渡辺 裕]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加