外車船(読み)がいしゃせん(英語表記)paddle steamer

翻訳|paddle steamer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

外車船
がいしゃせん
paddle steamer

外車つまり体の両側もしくは船尾に設けた車輪式推進器で走する汽船蒸気船出現当初に主用され,推進効率の改善法も講じられたが,外車自体が舷側に突出し,また半分以上は水上に露出するために,波浪の高いときには不向きで,推進効率もスクリュープロペラより劣るため,今日ではほとんど姿を消した。

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百科事典マイペディアの解説

外車船【がいしゃせん】

外輪船とも。船尾または中央部両玄側につけた水車のような車輪(外車)の回転で推進する船。外車は初期の蒸気船に用いられた推進器で,水車の外周に半径方向に取り付けた板で水をかく。水かき板には固定のものと,回転中,翼が水へ入るとき,水をかくとき,水から出るとき,それぞれ最も合理的な角度に自動的に変わる羽打式とがある。外車が船側にあるものを船側外車船,船尾にあるものを船尾外車船という。現在ではスクリューの使えない浅水河川湖水などで遊覧船として使用されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

がいしゃせん【外車船 paddle wheeler】

外輪船ともいう。推進用に外車paddle wheel(以前は外輪と呼ばれたが,現在,専門用語としては外車が広く用いられる)と呼ばれる水車のような装置を備えた船。19世紀の初頭にアメリカで実用化された蒸気船は,蒸気機関で動かされる外車船であり,R.フルトンハドソン川で営業運航に成功したクラモント号も,ワットの蒸気機関を積んだ外車船であった。外車は水車に似た構造をしており,船内の蒸気機関の回転運動によって回し,これで水をかきながら船を前進させる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

外車船
がいしゃせん

船の中央両側に水かき水車をもつか、船尾に1個の水かき水車を備えて、これを往復動蒸気機関によって回転させ推進する初期の汽船。外輪船ともいう。この方式で原動力に人力または動物の力を用いた船はエジプトや中国において古く存在した。蒸気力が18世紀に利用されるようになると、1788年にパトリック・ミラーPatrick Millerが、2隻の船体を並べて固定し、その間に水かき水車を備え、これを蒸気機関で動かすことを試みた。その後多くの人によりいろいろの方式が生まれた。しかし、やがて大部分は左右1対(つい)の水車の方式に落ち着き、河川用のものだけが船尾に取り付ける形となった。また水かきの面が水中では垂直を保つような偏心軸の方式なども考案された。

 やがてスクリュー船が生まれ、1845年に外車船アレクト号(880トン)がスクリュー船でほとんど同馬力(220馬力)のラットラー号(880トン)に綱引きで負けてのち、外車船はその地位を急速にスクリュー船に譲るに至った。

[茂在寅男]


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