多賀(町)(読み)たが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「多賀(町)」の意味・わかりやすい解説

多賀(町)
たが

滋賀県中東部、犬上郡(いぬかみぐん)にある町。1941年(昭和16)多賀久徳(きゅうとく)、芹谷(せりたに)の3村が合併して町制施行。1955年脇ヶ畑(わきがはた)、大滝の2村と合併。東は鈴鹿(すずか)山脈で、山脈に発して西流する犬上川と芹(せり)川の流域の町。上流域は石灰岩山地でカルスト地形が発達し、芹川上流に鍾乳洞(しょうにゅうどう)「河内風穴(かわちのふうけつ)」(県指定天然記念物)があり、セメント工場も立地した。近江鉄道(おうみてつどう)多賀線、国道306号、307号が通じ、名神高速道路の彦根インターチェンジ(彦根市)が町の北西に近隣している。中心の多賀は多賀大社鳥居前町として発達した。多賀大社は古来、皇室の崇敬が厚く、御代参(ごだいさん)街道も通じていた。江戸時代には俗謡に「伊勢(いせ)にゃ七度、熊野へ三度、お多賀様へは月参り」と歌われるほどにぎわった。多賀神社奥書院庭園は国指定名勝。付近の敏満寺(びんまんじ)集落は古代の東大寺領水沼荘(みぬまのしょう)の地で、胡宮(このみや)神社社務所庭園は国指定名勝。農業林業が主であるが、びわ湖東部中核工業団地が造成され、キリンビール滋賀工場なども立地している。面積135.77平方キロメートル、人口7274(2020)。

高橋誠一

『『多賀町史』全2巻(1991、1995・多賀町)』


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