大和田建樹(読み)オオワダタケキ

デジタル大辞泉 「大和田建樹」の意味・読み・例文・類語

おおわだ‐たけき〔おほわだ‐〕【大和田建樹】

[1857~1910]国文学者・歌人詩人愛媛の生まれ。独学国文学を研究。「鉄道唱歌」など唱歌作詞が多い。著「詩人の春」「新体詩学」「大和田建樹歌集」など。

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精選版 日本国語大辞典 「大和田建樹」の意味・読み・例文・類語

おおわだ‐たけき【大和田建樹】

  1. 国文学者。歌人、詩人。愛媛県宇和島の生まれ。東大講師、東京高師教授などを歴任新体詩草創期に活躍し、唱歌作者としても有名。著「詩人の春」「新体詩学」など。安政四~明治四三年(一八五七‐一九一〇

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20世紀日本人名事典 「大和田建樹」の解説

大和田 建樹
オオワダ タケキ

明治期の歌人,唱歌作者,国文学者 高等師範学校教授。



生年
安政4年4月29日(1857年)

没年
明治43(1910)年10月1日

出生地
伊予国宇和島(愛媛県)

学歴〔年〕
広島外国語学校卒

経歴
宇和島藩の藩校漢学などを学び、明治7年上京。9年広島外国語学校に入学。13年再び上京、独学で国文学を研究。15年東大書記となり附属博物館に勤務、17年古典講習科講師となる。19年高等師範学校教授に就任。この間、18年観世清孝に入門、謡曲を学ぶ。20年「故郷の空」などの“明治唱歌”を発表。24年著述生活に専念。33年「鉄道唱歌」がベストセラーとなる。以後、海軍などから作詞の依頼が殺到し、「散歩唱歌」「世界唱歌」のほか「軍艦唱歌」や「海軍唱歌」など軍国ものを作詞する。著書に「山したつみ」、歌集に「大和田建樹歌集」、詞華集に「詩人の春」「深山桜」、国文学関係の著書に「明治文学史」「日本大文学史」「歌まなび」、謡曲研究書に「謡曲通解」「謡曲解釈」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「大和田建樹」の解説

大和田建樹

没年:明治43.10.1(1910)
生年:安政4.4.29(1857.5.22)
明治時代の詩人,歌人,国文学者。父は水雲,母は栄子。伊予(愛媛)宇和島生まれ。藩校を経て,広島外国語学校卒。明治13(1880)年に上京し,ほぼ独学で国文学を研究。帝大文科大古典講習科講師,高等師範学校教授などを歴任。詞華集『詩人の春』(1887)などで文名をあげ,『鉄道唱歌』(1900)をはじめ,多数の唱歌集を刊行した。また,『明治文学史』(1894)を著し,特に英語学の節を設けて,明治初期,英学を修める者たちが読んでいた英文書の書目を掲げるなど,今日の目からみても興味深い記述を行っている。ほかの著書に『日本大文学史』(1899),『大和田建樹歌集』(1912)などもある。

(古田島洋介)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大和田建樹」の意味・わかりやすい解説

大和田建樹
おおわだたけき
(1857―1910)

国文学者、歌人、詩人。愛媛県生まれ。広島外国語学校で英語を学び上京。詩・歌・国文などを独修、東京大学古典科講師、東京高等師範学校および東京女高師教授となる。のち官を辞め、女学校講師のかたわら、散文、韻文集などを出し文名をあげ、1888年(明治21)以降『明治唱歌』6冊、なかでも『鉄道唱歌』(1900)は一世を風靡(ふうび)した。『歌まなび』(1901)、『日本大辞典』(1896)など著作多数。平明、温雅な歌をなし『大和田建樹歌集』(1912)がある。

 柳原はしる電車のともし火も朧(おぼろ)に見えてかすむ月かな
[藤岡武雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大和田建樹」の意味・わかりやすい解説

大和田建樹
おおわだたてき

[生]安政4(1857).4.29. 宇和島
[没]1910.10.1. 東京
歌人,国文学者。広島英学校を経て上京後独学で国文学を学び,1886年東京帝国大学文科大学講師。その後東京高等師範学校,東京女子高等師範学校教授などを歴任した。『和文学史』 (1892) ,『明治文学史』 (94) などの著書がある。歌人としては『深山桜』 (99) などの美文韻文の歌集で文名を得た。唱歌の作詩も多く,「汽笛一声新橋を」と歌いだす『鉄道唱歌』 (1900) は特に有名。

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百科事典マイペディア 「大和田建樹」の意味・わかりやすい解説

大和田建樹【おおわだたてき】

国文学者,歌人,詩人。伊予国宇和島生れ。独学で国文学を研究,東大古典科講師などを勤め,大町桂月ら大学派に対抗。《新体詩学》《大和田建樹歌集》《明治文学史》《日本大辞典》《謡曲評釈》などがあり,〈汽笛一声新橋を〉で始まる《鉄道唱歌》で名高い。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大和田建樹」の解説

大和田建樹 おおわだ-たけき

1857-1910 明治時代の国文学者,詩人。
安政(あんせい)4年4月29日生まれ。帝国大学古典科の講師などをつとめ,「明治文学史」「謡曲通解」などをあらわす。「詩人の春」などの詩歌や「鉄道唱歌」など唱歌の作詞者として知られる。明治43年10月1日死去。54歳。伊予(いよ)(愛媛県)出身。

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367日誕生日大事典 「大和田建樹」の解説

大和田 建樹 (おおわだ たけき)

生年月日:1857年4月29日
明治時代の詩人;国文学者。女高師教授
1910年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大和田建樹の言及

【鉄道唱歌】より

…各集に2曲ずつ楽譜をつけて,1900年5~11月大阪の三木佐助楽器店が発行した(元版は1889年市田昇文館)。作詞は大和田建樹(たけき)。作曲は多梅稚(おおのうめわか)のものがよく知られているが,東海道(1集),山陽・九州(2集)がそれぞれ多と上真行(かみさねみち),奥州線~磐城線(3集)が多と田村虎蔵,北陸地方(4集)が納所弁次郎と吉田信太,関西参宮南海各線(5集)が多。…

※「大和田建樹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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