20世紀日本人名事典 「大手 拓次」の解説
大手 拓次
オオテ タクジ
大正・昭和期の詩人
- 生年
- 明治20(1887)年11月3日(戸籍上=12月3日)
- 没年
- 昭和9(1934)年4月18日
- 出生地
- 群馬県碓氷郡西上磯部村(現・安中市磯部町)
- 別名
- 初期筆名=吉川 惣一郎
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学高等予科〔明治45年〕卒
- 経歴
- 中学時代に中耳炎を病み、その頃から文学に志す。早大入学後、詩人になることを決意し、読書と共に習作を試みる。ボードレールの「悪の華」に感銘し、原書からの翻訳もする。明治40年「昔の恋」「聞かまほし」を発表するが、詩壇のつきあいは持たず、孤独に終始した。45年、吉川惣一郎の筆名で白秋主宰の「朱欒」に口語詩「藍色の蟇」「慰安」を発表。以後「創作」「地上巡礼」「ARS」等に発表し、萩原朔太郎らに影響を与える。大正5年生活のためライオン歯磨本輔に入社、以後死までの18年間を広告部員として不本意なサラリーマン生活をすごし、その中で詩作に没頭した。没後の昭和11年第一詩集「藍色の蟇」が刊行された。「大手拓次全集」(全5巻 別1巻 白凰社)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報