天川(読み)アマカワ

デジタル大辞泉 「天川」の意味・読み・例文・類語

あまかわ〔あまかは〕【天川】

中国広東カントン省のマカオを、室町末期から江戸初期にかけて日本で呼んだ名。日明にちみん貿易の中継地。阿媽港あまこう

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日本歴史地名大系 「天川」の解説

天川
あまかわ

加西市に源を発し、姫路市東部飾東町しきとうちよう花田町はなだちよう両地区を経て御国野町みくにのちよう地区で飾東町唐端新の荒神しきとうちようからはたしんのこうじん谷に源を発する思出おもいで川を合する。さらに別所町べつしよちよう地区を経て高砂市に入り、同市曾根そね町で播磨灘に注ぐ。全長一四・八キロの二級河川。水源地について「加西郡誌」は加茂かも中山なかやま(現加西市)とし、「増訂印南郡誌」は同村西長にしおさ(現加西市)とする。川名の由来については、御国野町国分寺みくにのちようこくぶんじの「天が畑」が「播磨国風土記」の餝磨しかま少川おがわ里の条にみえる英馬野あがまので、この辺りを流れる川であるから英馬川とよばれ、のちに転じて天川となったという(花田史誌)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天川」の意味・わかりやすい解説

天川(村)
てんかわ

奈良県中央部、吉野郡にある村で、十津(とつ)川上流の天(てん)ノ川流域を占める。国道309号が通じる。林業、木工業を主産業とする。東部は山上ヶ岳(さんじょうがたけ)(1719メートル)を主峰とする大峰(おおみね)山脈の山々が連なり、吉野熊野国立公園の一部となっている。大峯山寺のある山上ヶ岳は女人禁制修験道(しゅげんどう)の山として知られる。紀伊山地霊場と参詣道として世界遺産に登録されている。登山口の洞川(どろがわ)には、旅館、土産(みやげ)物店が多く、修験道中興の聖宝(しょうぼう)が再興したと伝えられる竜泉寺や五代松(ごよまつ)鍾乳洞(しょうにゅうどう)がある。八剣山(はっけんざん)西側山腹には国指定天然記念物のオオヤマレンゲ自生地がある。面積175.66平方キロメートル、人口1176(2020)。

[菊地一郎]

『『天川村史』(1981・天川村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「天川」の意味・わかりやすい解説

天川[村] (てんかわ)

奈良県中央部,吉野郡の村。人口1572(2010)。紀伊半島中央部に位置し,周囲を標高1500~1800mの大峰山脈の山々に囲まれた山村。十津川上流の天ノ川流域にあたり,両岸の小低地に集落が点在する。村域の大部分山林からなり林業が主産業であるが,初齢林率の高い杉,ヒノキの人工林が多いため,林業収入は少ない。近年,みがき丸太などの銘木や床置の一刀彫の生産が盛んである。東部にそびえる大峰山(山上ヶ岳)は山岳宗教,修験道の聖地で訪れる人が多い。仏経岳原始林,オオヤマレンゲ自生地は天然記念物に指定されている。
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世界大百科事典(旧版)内の天川の言及

【マカオ】より

…南面の前記2島が門のような位置にあるところから生じた地名ともいい,また南部海辺に有名な媽祖廟のあるところから阿媽港,媽港といわれるようになったともいう。日本では近世初頭以来,天川(あまかわ)の名でよばれていた。1557年(嘉靖36),ポルトガル船が明の海賊討伐を援助したところから定住を許されるようになり,その後ポルトガルは居住権の維持のため年500両の貢金をおさめていた。…

※「天川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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