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球面三角法 きゅうめんさんかくほうspherical trigonometry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

球面三角法
きゅうめんさんかくほう
spherical trigonometry

歴史的には天文学の研究に伴って起ったもので,球面三角形の角,辺の間にある関係を三角関数の諸法則を用いて考察し,その応用面をも研究する数学の一分野である。球面三角法を適用する空間図形のなかで基本的なものは,頂点を球の中心にもつ三面角である。この三面角の隣合う2面によってつくられる二面角 ABC は,三面角の3つの面と球面とが交わってできる球面三角形の角をつくる。いま ABC に相対する面角をそれぞれ α,β,γ とすれば,これら6つの角の間にはいくつかの基本的な関係がある。たとえば正弦公式: sin α/ sin A= sin β/ sin B= sin γ/ sin C ;正弦余弦公式: cos α= cos β cos γ+ sin β sin γ cos A; cos A=- cos B cos C+ sin B sin C cos α 。また球面三角形の面積 S は,球の半径を r とすれば,SEr2 で与えられる。ただし,E は角 ABC をラジアンではかったときの角過剰 (ABC)-π である。

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デジタル大辞泉の解説

きゅうめん‐さんかくほう〔キウメンサンカクハフ〕【球面三角法】

球面における距離や角を三角関数を利用して計算する方法。

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百科事典マイペディアの解説

球面三角法【きゅうめんさんかくほう】

球面上の3点を大円の弧で結んでできる三角形を球面三角形といい,球面三角形の辺や角の関係を三角関数を使って数量的に算出し,またその応用を研究する数学の一分科を球面三角法という。

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうめんさんかくほう【球面三角法 spherical trigonometry】

平面図形の研究に三角関数が応用されるが,球面上の図形についても同様である。前者を平面三角法といい,後者を球面三角法という。三角法は歴史的には天文学への応用から起こったため,平面三角法より球面三角法が先行した。その創始者はギリシアのヒッパルコスHipparchos(前150ころ)といわれており,メネラオスMenelaos(100ころ)もその発展におおいに寄与した。まず,球面三角形について述べよう。球面をその中心を通る平面で切ったときの切口の円を大円great circleといい,球面の一つの直径の両端の2点を対心点antipodal pointという。

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大辞林 第三版の解説

きゅうめんさんかくほう【球面三角法】

〘数〙 球面三角形の辺や角の間の関係を研究する三角法。 → 三角法

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

球面三角法
きゅうめんさんかくほう
spherical trigonometry

球面上の問題を解決するために三角関数を用いる計算法。地球上で応用して測量術、航海術、天球上で応用して天文学に用いられる。球をその中心Oを通る平面で切ったとき、球面上にできる切り口の曲線を大円といい、三つの大円の劣弧(大円を二分割したときの短いほうの弧)で囲まれる図形を球面三角形という(の(1))。この大円が交わる点を頂点(この場合三つありそれぞれA、B、Cとする)、頂点と頂点を結ぶ弧を辺という。中心Oと頂点A、B、Cを結ぶ半直線OB、OCのなす角aは、辺BCの長さと正比例するから、aは辺の長さを表す量とみなせる。同様に角b、cを定める。頂角Aは頂点Aにおける弧AB、ACへの接線の間の角として定められる。これは平面OAB、OACのなす角といっても同じことである(の(2))。同様に頂角B、Cを定める。いま
  E=A+B+C-π
と置くと、つねにE>0である。Eを球面過剰というが、球面三角形ABCの面積は球面過剰に比例する。つまり、球の半径をrとするとき、r2Eが面積である。
 このa、b、c、A、B、Cの間の関係を考えるのが球面三角法である。基本の関係として正弦法則、余弦法則がある。これらを用いて、球面三角形の辺、角の一部分がわかっているときに、他の辺、角を求めることができる。球面三角法は、航海などにおける必要から発達し、14、15世紀には今日に近い形ができあがった。[竹之内脩]

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世界大百科事典内の球面三角法の言及

【三角法】より

…このような関係式を基本として,三角関数を応用することによって図形を研究するのが三角法である。対象が平面上の図形の場合には平面三角法,対象が球面上の図形の場合には球面三角法と呼ばれている。三角形の3要素を与えて残りの3要素を求めることを三角形を解くと呼ぶが,これは三角法における基本的問題である。…

※「球面三角法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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