太陽の塔(読み)タイヨウノトウ

デジタル大辞泉 「太陽の塔」の意味・読み・例文・類語

たいよう‐の‐とう〔タイヤウ‐タフ〕【太陽の塔】

大阪府吹田市の万博記念公園内にある建造物。昭和45年(1970)に開催された万国博覧会シンボルとして岡本太郎制作円筒形の胴に2本の腕と三つの特徴的な顔面をもつ。高さ約70メートル。

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共同通信ニュース用語解説 「太陽の塔」の解説

太陽の塔

大阪万博跡地を整備した万博記念公園(大阪府吹田市)にある高さ約70メートルの塔。鉄骨や鉄筋コンクリート造りで、総工費は約6億3千万円。万博開催中、テーマ館の「大屋根」を突き抜ける形で建てられていた。内部生命の樹には原生生物哺乳類といった生物模型が取り付けられている。外側に未来を象徴する「黄金の顔」、現在を象徴する「太陽の顔」、過去を象徴する「黒い太陽」という三つの顔を持ち、地下の展示スペースには「地底の太陽」が置かれた。

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知恵蔵 「太陽の塔」の解説

太陽の塔

1970年大阪万国博覧会のテーマ館のシンボルとして建設された造形物。設計は岡本太郎による。博覧会終了後も大阪府吹田市の万博記念公園内にそのまま保存され、同公園の象徴として、また岡本太郎の代表作の一つとしても親しまれている。
太陽の塔は、「人類の進歩調和」をテーマとする大阪万博のシンボルゾーン調和の広場のテーマ館として、母の塔、青春の塔、大屋根とともにつくられた。太陽の塔は過去・現在・未来を貫いて生成する万物のエネルギーの象徴として、また、同時に、生命の中心、祭りの中心を示すものとして位置づけられた。構造は鉄骨鉄筋コンクリート製の建造物で高さは約70メートル、基底部の直径は約20メートルで、胴中央部には左右それぞれに約25メートルの腕がのびる。全体は白色の地で正面には「赤いイナズマ」背面には「緑のコロナ」がガラスモザイクタイルで描かれる。頂部には直径約10メートルの金属製の「黄金の顔」を載せ、腕の付け根付近の正面に直径約12メートルの繊維強化プラスチック(FRP)製の「太陽の顔」がレリーフのように浮き上がり、裏面には信楽焼(しがらきやき)のタイル製で「黒い太陽」が取り付けられている。また、外から見えるこれら三つの顔に加えて、テーマ館の地下展示に高さ約3メートル、全長約11メートルのもう一つの顔「地底の太陽」があった。しかし「地底の太陽」は博覧会終了後の撤去作業に伴い行方が分からなくなった。太陽の塔の内部は空洞で、万博開催当時はテーマ館(博覧会終了後に撤去)の地下展示から太陽の塔の内部を通って空中展示に移動する動線となり、「生命の樹」と呼ばれる高さ約41メートルのモニュメントが設置されて、生命の進化の過程を示す展示空間としても機能した。博覧会終了後の内部は長く非公開だったが、万博公園を管理する日本万国博覧会記念機構が2003年に独立行政法人に移行したのを機に一部を限定公開する催しが行われ人気を博した。大阪万博40周年の記念行事として、10年に一般公開することが企画されたが、耐震基準を満たしていないことがわかって中止となった。その後、耐震補強工事が検討され、16年から内部の修復も合わせて再生事業が進められた。経年劣化が進んでいた「生命の樹」のほかに、行方不明の「地底の太陽」も修復・復元され、18年3月から一般公開が始まった。

(金谷俊秀 ライター/2018年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「太陽の塔」の意味・わかりやすい解説

太陽の塔
たいようのとう

日本の美術家、岡本太郎が制作した高さ70メートルの塔。1970年(昭和45)に大阪府吹田(すいた)市で開催された、日本万国博覧会(大阪万博)のシンボルとして建設された。塔の頂部に未来、正面に現在、背面に過去を象徴する、三つの顔をもつ。万博記念公園内にあり、2018年(平成30)から内部公開開始。2020年(令和2)、国の登録有形文化財に登録された。

[編集部 2021年5月21日]

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デジタル大辞泉プラス 「太陽の塔」の解説

太陽の塔

森見登美彦の小説。2003年、「太陽の塔/ピレネーの城」のタイトルで第15回日本ファンタジーノベル大賞に応募、大賞を受賞した著者のデビュー作。同年、現タイトルに改題して刊行。

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