(読み)ジョウ

デジタル大辞泉 「嬢」の意味・読み・例文・類語

じょう〔ヂヤウ〕【嬢/娘】

[名]未婚女性。むすめ。代名詞のように用いることが多い。「―ちゃん」「お―さん」
[接尾]
未婚の女性の氏名に付けて、敬称として用いる。「中村春子―」
職業を表す語に付けて、その職にたずさわっている女性であることを表す。「アナウンス―」「受付―」
[類語]ミスマドモアゼルミズオールドミスハイミス老嬢

じょう【嬢〔孃〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ジョウ(ヂャウ)(漢)
未婚の女性。むすめ。「愛嬢貴嬢令嬢老嬢
母。「爺嬢やじょう

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精選版 日本国語大辞典 「嬢」の意味・読み・例文・類語

じょうヂャウ【嬢・娘】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. きむすめ。少女。軽い敬意をこめて用い、また、親しみをこめて自分の娘についてもいう。
      1. [初出の実例]「私や娘(ヂャウ)はよろしうござりますが、下の者が難儀をいたしますはな」(出典滑稽本玉櫛笥(1826))
      2. 「『嬢や』と二声三声。『唯(はい)、何ですの』と微かな返答」(出典:春潮(1903)〈田山花袋〉四)
    2. 中国の俗語母親
      1. [初出の実例]「小児喫趺委深流、莫爺娘鬼也愁」(出典:丱余集(1409頃)上・次韻哭小童溺水)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 名前、また、職業を示す語に付いて、それが未婚の女性であることを表わし、軽い敬意を添える。「電話交換嬢」「受付嬢」など。
    1. [初出の実例]「『ホワトン』嬢(ヂャウ)。あれを見たまへ」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙一二)

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普及版 字通 「嬢」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

(旧字)孃
20画

(異体字)娘
10画

[字音] ジョウ(ヂャウ)
[字訓] はは・むすめ

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
旧字は孃に作り、襄(じよう)声。襄にゆたかなものの意がある。〔説文〕十二下に「煩擾(はんぜう)なり」とし、また「一に曰く、肥大なり」という。煩擾の意は、襄の初文である二上に「亂るるなり」とある意を承けるものであろうが、は祝し、呪具を以て邪霊を攘(はら)う意で、そのことごとしいさまをいう。孃にはその意がなく、が肥満の人をいう語であるように、肉づきのゆたかな人をいう。婦人は中年以後、肥大となる人があり、孃とはそのような老婦人をいう。のち、娘と通じて用いる。

[訓義]
1. こえた女、老婦人、はは。
2. 娘と通じ、むすめ。
3. 擾と通じ、わずらわしい、みだれる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕孃 乎美奈(をみな) 〔名義抄〕孃 ヲウナメ・ハハ・ヲナミ(ミナ)・ウ(ヲ)ミナ/娘 ムスメ・ヨキヲウナ 〔字鏡集〕孃 ヲムナ・ミダル・ハハ・ヲミナ

[語系]
孃・njiangは同声。は肥満。また壤(壌)・(醸)njiangも同声。やわらかく、ふっくりしたものをいう。*語彙は娘字条参照。

[熟語]
嬢子嬢嬢
[下接語]
村嬢耶嬢爺嬢・令嬢・老嬢

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