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孔雀明王 くじゃくみょうおうMahāmāyūrī-vidyārājñī

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

孔雀明王
くじゃくみょうおう
Mahāmāyūrī-vidyārājñī

明王の一つで,くじゃくが毒草や毒虫を食するように,人間の三悪を呑食し,衆生の業障罪悪,諸病痛を除くことを本願とする。像容は普通一面四臂が多く,蓮華,具縁果など4種のものを持ち,くじゃくの上に坐し,明王中の例外として忿怒でなく慈悲相を示す。日本では藤原期に最も盛んに信仰され,仏画にすぐれたものが多い。京都仁和寺,東京国立博物館,法隆寺,京都安楽寿院などには藤原期の画像が伝わる。彫刻では金剛峰寺快慶作『孔雀明王像』 (鎌倉時代) がその代表的な作品。

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デジタル大辞泉の解説

くじゃく‐みょうおう〔‐ミヤウワウ〕【孔雀明王】

《〈梵〉Mahāmayūrīの訳》毒蛇を食うクジャクを神格化した明王。祈れば一切の害毒を除くとされる。金色の孔雀に乗る四臂(しひ)の菩薩(ぼさつ)形で、手にクジャクの羽・蓮の花・具縁果・吉祥果を持つ姿に描かれる。孔雀経の法は孔雀明王を本尊とする修法仏母(ぶつも)大孔雀明王。孔雀王

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

孔雀明王 くじゃくみょうおう

密教の明王。
元来は毒蛇をたべる孔雀が神格化されたヒンズー教の神。仏教ではすべての災厄をのぞくとされる。明王としてはめずらしく忿怒(ふんぬ)相をとらず菩薩(ぼさつ)の顔をもち,ふつうは孔雀にのる。日本には飛鳥(あすか)時代につたわり,役小角(えんの-おづぬ)も信仰したという。高野山金剛峰寺の彫像,京都醍醐(だいご)寺などの画像が有名。

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世界大百科事典 第2版の解説

くじゃくみょうおう【孔雀明王】

サンスクリット名はMahāmayūrī‐vidyā‐rājñī。毒蛇を食うという孔雀を神格化したもので,孔雀王母菩薩,孔雀仏母などともよび,サンスクリット名を音訳して摩訶摩瑜利(まかまゆり)と書くこともある。一般にみられる形像は,一面四臂で孔雀の背に乗る。面相は明王にめずらしい慈悲相で,手に孔雀尾や蓮華をもつ。《仏母孔雀明王経》などは,毒蛇にかまれた比丘が孔雀明王陀羅尼(だらに)を誦して救われたように,この尊を念ずれば一切諸毒,怖畏,厄難を消除し,祈願円満を得ると説く。

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大辞林 第三版の解説

くじゃくみょうおう【孔雀明王】

Mahāmayūrī〕 孔雀経などに説かれる密教の明王。一般に孔雀の上に座した一面四臂の菩薩として描かれる。この明王を本尊とする修法を孔雀経の法という。孔雀王。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

孔雀明王
くじゃくみょうおう

明王の一つ。インド起源の孔雀仏母(ぶつも)像で、猛毒蛇を食い殺す孔雀を神格化したもの。サンスクリット語でマハーマユーリービドヤーラージニーMahmayrvidyrjといい、摩訶摩瑜利(まかまゆり)と音訳する。「孔雀王」または「仏母大孔雀明王」ともいう。不空訳『仏母大孔雀明王経』によると、この明王の大陀羅尼(だらに)を誦(じゅ)すると、蛇毒をはじめ、いっさいの諸毒による怖畏(ふい)、災難を滅し、安楽を得ると説く。密教では孔雀明王を本尊として修する秘法を孔雀経法(きょうぼう)といい、四箇大法(しかだいほう)の一つにあげる。日本では奈良時代にすでに知られており、役小角(えんのおづぬ)も信仰していたと伝える。図像学上の特徴は、金色の孔雀に乗じ、白蓮華(びゃくれんげ)(または青緑色)上に結跏趺坐(けっかふざ)する四臂(よんぴ)像である。平安時代以降に信仰された作例として、金剛峯寺(こんごうぶじ)に蔵する快慶作の彫像、仁和寺(にんなじ)および智積院(ちしゃくいん)の画像が知られる。[真鍋俊照]

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世界大百科事典内の孔雀明王の言及

【クジャク(孔雀)】より

…【柿沢 亮三】
[インド文化におけるクジャク]
 インドでは蛇の毒のために多くの人々が被害を受けるため,蛇の天敵であるクジャクが神聖視され,ヒンドゥー教において女性神〈マハー・マユーリーMahāmayūrī〉として神格化された。これが仏教にとり入れられて〈孔雀明王〉となり,蛇毒をはらうだけでなく,あらゆる病災を除き,天変地異を鎮めるとされて,これを本尊とする修法が行われた。日本にも密教とともに伝来し,《日本霊異記》に〈孔雀王の呪法〉の記述が見られる。…

※「孔雀明王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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