日本大百科全書(ニッポニカ) 「安山岩線」の意味・わかりやすい解説
安山岩線
あんざんがんせん
太平洋を取り巻いている安山岩分布の境界線。1912年にニュージーランドの地質学者マーシャルP. Marshallによって提唱されたもので、この線の内側には典型的なカルク・アルカリ岩系の安山岩は分布しないで、外側には造山帯、島弧などに特有なカルク・アルカリ岩系の安山岩類が分布する。境界線はおよそ南北アメリカの西海岸に平行にアリューシャン列島、千島列島、日本列島、マリアナ、パラオ、ビスマーク、フィジー、トンガの各諸島周辺を通って、ニュージーランドに至る。海洋性地殻と大陸性地殻の境界を意味するものと考えられるが、正確な位置については不明の点も多い。提唱者にちなんでマーシャル線とよばれることもある。
[矢島敏彦]